それで良いのか?党首討論ゼロ国会

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党首討論、って言っても相手がコレでは安倍首相にとっては相手不足だろう。

国会で与野党の党首が「サシで」討論する「党首討論」、現在開かれている国会でも開催されない見通しなのだと言う。これによって今年は「党首討論ゼロ」と言う異例の事態が確実になった。
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党首討論は国会審議を活性化する目的で英国議会の「クエスチョンタイム」をモデルにして考案されたのだそうだが、必ず行わなければならない、と言う訳ではないらしい。今回は野党が開催より予算委員会を優先したのが原因の様だ。


「首相と、衆院または参院において10人以上の議員で構成されている院内交渉団体の資格を有する野党(会派の)党首との直接対面方式での討議を行う」

形式で行われ、時間は全体で45分と短い。また参加資格は

「院内交渉団体であることに加えて党首が国会議員として国家基本政策委員会に所属している」

事が条件であり、全政党が参加出来る訳ではない。

また、民進党が分裂した事により、立憲民主、希望、民進、共産、維新に加え、無所属の会まで党首討論に参加すればそれらの政党間で「45分」の質問時間を分け合う事になる。…どう割り振った所でどの野党もまともな質問時間を得られないのは明白だ。それなら安倍首相出席を前提に予算委員会を開催させて質問した方が例え質問時間の配分が「5対5」でもより多くの質問時間を確保できる。だから党首討論は別段必要ない、と言うのが野党の言い分である。一方与党は「やれば良い」と言う立場である。野党に安倍首相を論破出来るレベルの党首がいない、と言うのもあるのだろうが、実は党首討論を行う週では

「本会議や委員会に首相の出席を求めない」

と言う不文律があるのだ。だから与党としては党首討論での政策論争で野党党首を論破出来る、と言うメリットと共に、「首相を国会に拘束させない」と言う副産物が出る意味を重視するのである。
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こうなるのは「制度の欠陥」と考えるよりないだろう。党首同士のサシでの「ガチンコ討論」を行う事自体は悪い事ではない。また党首討論では例は少ないが「首相が野党側に質問する」事で野党の対案を促したりする事が認められている。そういう長所、と言える面もあるのだから、党利党略で開催の是非を左右するのではなく、制度を根本から見直してはどうかと思う。

先ずは「45分」と圧倒的に短い開催時間を改善すべきであろう。党首討論で国民の注目を集める、と言うなら最低でも1時間、出来れば2時間は行っても良いのではないだろうか?ただし、余り時間が長いと参加する全政党の党首を相手にしなければならない首相への負担は大きい。それならば「首相VS野党党首」と言う形式ではなく、与野党党首が一堂に会しての「バトルロイヤル形式」で行ってはどうか?要は選挙特番で行う様な形式である。

国会では「野党から他の野党への追及」と言う制度がない。党首討論だけでもコレを認めるなら「国会質疑の活性化」と言う目的は十分に達成出来るだろう。…尤もこの様な制度を喜ぶのは維新位なものであろうが…
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※是非とも国会で追及してもらいたいものだ。

いずれにしても党首討論の存在意義が問われている事に変わりはない。いや、それどころか国会論戦の在り方それ自体の見直しが求められているとも言える。国会で野党は森友学園の件を追及する構えだが、この件では野党議員、例えば辻元清美にも疑惑が指摘されているが、現状では制度に助けられて国会で追及を受ける事はまずないだろう。それで納得する国民がどれだけいるだろうか?国会の自浄は国会自身で行わなければ何も進まない。国会議員の仕事に対する意識が問われていると言える。