日馬富士暴行事件における貴乃花親方の真意は?
横綱白鵬が40回目の優勝を果たした九州場所、同じ横綱の日馬富士が起こしていた暴行事件のせいで冷や水を浴びせられ、土俵外の方が「別の意味で」盛り上がってしまった。その被害者貴ノ岩の師匠である貴乃花親方の対応が世間から疑問の声が多く上がっており、様々な憶測がなされている。
日馬富士自身も暴行の事実は認めており、その点では論を待たずに日馬富士に非がある。しかし、事件が地方巡業中だったこともあって貴乃花親方の巡業部長としての責任を問う声や貴乃花親方の対応は理事長選を見据えたもの、即ち貴乃花親方がこの事件を自身の権力闘争に利用している、と言った具合に批判する論調も出て来ている。
弟子の事件を利用した自身の権力闘争など「一代年寄」を贈られる程の「大横綱」にしては腹黒い、と思っていたが以下の記事の指摘が事実ならやはり貴乃花親方は「大横綱」であり、貴乃花親方の対応の謎解きや理解を得る事が出来るのではないだろうか?
モンゴル人力士同士の繋がり、と言う存在は指摘されており、一門や部屋を越えた繋がりがある、と言うのは事実の様だ。モンゴルから同じ目的で日本へやって来ている者同士、と言う繋がりが出来るのは必然なのかも知れないし、それを全面的に禁止、とまでは相撲協会としても言えないのだろうが、記事が指摘する通り、
「頓珍漢」
と言う事になる。
貴乃花親方が事件に対して被害届を出し、撤回しないのは相撲協会の内部調査で「角界の闇」が「闇から闇に葬られる」事を防ぐ為、とも言える。自分でそうしておいて親方本人や貴ノ岩が報道陣や相撲協会に軽々しく口を開くのは警察の捜査に影響を与える恐れがある。だとすれば黙るしかない。目的があくまで
「『モンゴル人コミュニティ』の存在を闇から引きずり出して『八百長の証拠を掴む』」
事にあるなら貴乃花親方の対応も理解できなくもないが、それでも
診断した医師が「出場は可能だった」と証言した貴ノ岩を休場させた真意や
事件直後に貴ノ岩が巡業に参加していた事、また九州場所前に市役所を表敬訪問した際の写真からは怪我の様子が窺えない事などの疑問点は残る。いずれ貴乃花親方が説明するもの、と思いたいが、そうでないと例え記事の指摘が事実であっても世間としては納得はしないだろう。
また、記事が指摘する様に
となれば無法にも程がある。しかもその被害者は自身の弟子だった。と、なれば貴乃花親方でなくても激怒するのは当然で、「八百長撲滅」と言う大義名分があれば「理」は貴乃花親方にある。だが問題は「その証拠」があるのかどうか?またあったとしてそれを貴乃花親方サイドが掴めるのか?と言う点であろう。
相撲協会は「出る杭を打っている」場合ではない。この件は対応を誤れば大相撲の危機に繋がる一大事である。そういう危機感が何処まであるだろうか?日馬富士の暴行はそれはそれで処分されるべきだが、この様な指摘もある中で相撲協会が何処まで「その闇」に切り込めるかが問われる事になる。「相撲界の膿」を出し切れるのか?相撲協会の姿勢が問われる事になる。