貴乃花親方落選、だが…?


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※これも「想定内」なのか?

世間の注目を集めた相撲協会理事選、唯一の落選は貴乃花親方だった。


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※右が予測、左が結果。

しかも苦戦は最初から予想されていたものの、予想された得票を大きく下回る2票しか獲得出来なかった不可解な結果である。日馬富士暴行事件に端を発する貴乃花親方の一連の言動、相撲協会の論理からすれば「異端」でしかなかっただけに協会側の立場からすれば「冷ややかに」この事態を見ている様だ。

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理事選の時点で貴乃花親方及びそのシンパの親方は計11人、と見られていた。理事選は基本的に

「一門内の票割りで決まる『出来レース』」

でしかないので、貴乃花一門が候補を一本化すれば無投票、二人出馬したところで当選ラインが9票前後、と言うのが相場なのは判っていた事なので、他の一門から造反でもない限り「二人当選」は望めなかった。しかもその「造反」は限りなく「起こる可能性が低い」状況下で行われた選挙であった。

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理事選は

「候補者の氏名を書く」

記名式で行われていたのだ。これなら簡単に「裏切り者」を筆跡で特定出来る。「隠れ貴乃花支持派」の親方の存在も噂されているが、この投票方式でかつ各一門内外問わず「反貴乃花」と言う名目で相当の圧力をかけられれば余程の覚悟がなければ貴乃花親方に投票する真似など出来まい。自民党の派閥政治も真っ青になるこぴのんうシステム、正面から打ち破るのは至難の業、としか言い様がない。

…余談だが一部で

「今回記名投票にしたのは八角理事長の陰謀」

とする意見がある様だが、実際は

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と、2012年の理事選から「記名投票に戻っていた」のが真相の様だ。その前の理事選は

「候補者に◯を付ける」

無記名投票だったが、それ故に発生した造反票で貴乃花親方が当選した、と見られていた様だ。つまり投票方式を戻した狙いは

貴乃花親方の再選阻止」

だった訳だ。そうだとすれば

守旧派VS貴乃花親方」

と言う対立の構図は以前から、と言うか最初から存在していた事になる。何だかんだ言っても貴乃花親方を支持する他の親方もそれなりに居て、理事選で当選を確保出来るだけの勢力になってきたからこそ、貴乃花親方はその後も理事でいられた訳だが、貴乃花親方は今回は「落選必至」を承知で敢えて出馬し、予想を大きく下回る2票で落選し、貴乃花親方を忌み嫌う守旧派の注文通りの状況を自ら作り出した。不可解な行動ではあるが、そこには「何らかの狙い」があるのではないだろうか?

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貴乃花親方支持派としてはそう思いたい。

例えば民進や希望の議員の様に

「理事であり続けたい」

と思っている訳ではあるまい。それなら最初から相撲協会にケンカを売る真似はしないだろうし、同門の阿武松親方を候補に立てる事もしなかっただろう。また貴乃花親方は落選により、降格される事が必至の情況だ。まさに踏んだり蹴ったりだが、これは過去の例からも予測は出来た事だ。従って貴乃花親方は

「それらを承知でかつ落選は想定内の事として」

出馬した、と言う事だ。それだけの出馬した訳ではあるまい。「その先」を見据えた行動なのはまず間違いないだろう。

いずれにしても相撲協会は「旧態依然」を選んだ訳だがそもそもこの選挙、親方の「自由な意思」に基づいた選挙だったのか?と言われると答えは「NO」であろう。とてもじゃないが「民主的」とは言えない。その実態を世間に知らしめる事が貴乃花親方の狙いだとすれば…?

相撲協会民主化」は内部だけでは不可能、と言えるだろう。外部からの「声」が必要ではないだろうか?少なくとも貴乃花親方がこれで「何もしなくなる」とは思えない。どういう「次の一手」を繰り出すのか?

相撲協会VS貴乃花親方」

はまだ終わってはいない。

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貴乃花親方の「次の一手」にはまだ注目する価値はあるだろう。