和田政宗議員の質問の意味を考える
こんな質問をされるとは、太田理財局長も予想だにしていなかったに違いない。
※答弁する太田理財局長。流石に尋常な精神では答弁出来なかったのも無理ない。
流石にこれには太田理財局長も
「私は公務員として、お仕えした方に一生懸命お仕えすることが仕事なので、それを言われると流石に幾ら何でも…そんなつもりは全くありません。それは幾ら何でも、それは幾ら何でも…ご容赦ください」
と、「幾ら何でも」を連発して全力否定だった。…頭を激しく振り続け、答弁の際に顔が紅潮させ、気色ばんで。
このやり取り、毎日新聞は野党議員の声を取り上げ、批判的に報道している。
…「そのやり取り」だけを見ていると野党議員の批判にも一理ある、と思わせる記事の書き方ではある。しかし、
※何処までも財務省は腐っていた、と言う事だ。
「資料は全て出しました」
「全てお話し致します」
等と言った所で「信用に値しない」のだろう。そんな「相撲協会と良い勝負」の財務省の隠蔽体質をここで改めさせないとこの先も同じ事を繰り返しかねない。それを断ち切る、と言う覚悟を問い質した、と解釈出来なくもない。
和田議員の発言には賛否両論ある。だが、是非に関わらず「確実に言える事」と、言うのは存在する。先ずは
「財務省の隠蔽体質を改めさせ、今後同様の事件が起きない様にさせる」
と言う事だ。この件で財務省を追及し、真実を明らかにする、と言う点では与党も野党も同じであろう。今回の一件で財務省を問い詰め、ゲロらせたのは自民党主導による結果(と、言うか野党は何もしていない)だが、そこに至るまでの財務省の「抵抗」も相当なものであった。官邸が「書き換えの可能性」を把握してから実際に財務省がその事実を認めるまで時間がかかったのも「財務省の抵抗」があったからではないのだろうか?国交省、会計検査院、検察、と言わば「トリプルパンチ」で問い詰めるまで財務省が「抵抗」を続けていたのであれば「ちょっとやそっと」の言い方では「その場逃れ」で終わってしまう事まで考えられる。「そうさせない」為に和田議員が敢えてこの質問をしたのであればそれはそれで「意味がある」と言う事も出来るだろう。
もう一つ、確実に言える事は
「野党にそれを批判する資格はない」
と言う事だ。
「言語道断だ。恫喝的質問だ。酷すぎる」
「官僚が真実を語っているか、私も煮え湯を飲まされることは多い」
自分が描いていたストーリー通りの答弁が得られず、そこから議論を発展させる事が出来ずに逃亡、と良い所などない、と言っても過言でない惨状だった。勿論「成果」と言えるものはない。一方和田議員は質問で「財務省を縛る」事に成功した、とも言える。太田理財局長があそこまで気色ばんで全力否定したからには下手な嘘はもう吐く事は出来まい。疑いの目を向けられ、「野党への忖度ではないのか?」等と問い質されては身も蓋もないだろう。また、
「非常識極まりない、情けない」(立憲民主・福山哲郎)
と、言うコメントも毎日新聞は掲載しているが、その言葉は和田議員ではなく、自党へと向けるべき台詞である。
と、先に和田議員に「ブーメラン」をお見舞いされている。和田議員は「武士の情け」なのかこの場ではその議員の実名を挙げなかったが、日本航空学園の役員名に「連合会長」として民進党の大島九州男の名前が明記されている。
違法行為の「確たる証拠」があるわけでもなく、根拠は「本人以外の人物からの伝聞」で疑惑をかけて「証人喚問」が成り立つなら安倍昭恵夫人だけでなく、大島九州男も証人喚問にかけなければ釣り合わない。それでも「大島九州男には目を瞑って安倍昭恵夫人は国会に呼べ」と言うのであれば野党こそ
「そんな要求や質問自体、政治家として恥ずかしくないのか」
「非常識極まりない、情けない」
と、言うことになる。それでも「やっている」のが野党だ。それだけでも如何にこれら野党が
「無理筋で理不尽な要求」
をしているか?一目瞭然であろう。
和田議員としては財務省が妙な動きでもしない限り再びこの様な質問をする事はないだろう。だが、
「それだけ信用できない」
のが財務省なのだろう。そんな役所をぶった斬ってくれる議員がいるならその働きに期待するのも良いではないか。そうなれば一見失礼に思える質問も意味を持つ。そうなる事を期待したい。