森ゆうこの犯罪講座



3月30日に自由党森裕子らが財務省に突撃し、森友問題に絡んでデータ管理端末を確認しようとした。勿論要求は叶わず、職員や衛視が「退去要請」を繰り返しても居座り続ける、と言う御乱行ぶりで都合5時間にも渡って財務省に居座り続ける、と言う結果を残した。…問題なかったのだろうか?
https://www.sankei.com/politics/news/180407/plt1804070001-n1.html



…余り聞き慣れない罪名だが、「不退去罪」と言う犯罪が刑法には規定されている。刑法130条、住居侵入と共に規定されている。聞き慣れないのはこの犯罪が知名度が低い上、単独で成立するケースが稀だからであろう。だが、退去要請を無視して財務省に5時間居座り続けた森裕子には成立するのではないか?と、思えてしまう。

不退去罪の構成要件は

「人の住居、人の看守する邸宅、建造物、艦船で」

「その場所を管理する権限のある者から退去を要請されたにも関わらず応ぜず」

「退去に必要な合理的時間を経過する」

事で成立する。また、その場所に「適法又は過失で」居ることが条件で、それ以外の不法な侵入、滞在の場合は「住居侵入」が成立し、この場合、不退去罪は住居侵入罪に吸収される、と言うのが通説の様だ。この森裕子のケースではどうか?

財務省の庁舎がここで言う「人の看守する建造物」に該当するのは明らかだ。そこに立ち入った事についても

「国会議員として財務省の公文書書き換え問題を調査」

と、いう大義名分を掲げている以上、「直ちに違法」とは言えない。ただし、記事によれば

「明日そちらに確認作業に行きます」

と言って

「勘弁して下さい」

と、断られたにも関わらず

「事前に連絡したから『アポあり』」

と、相手の都合も迷惑も考えないエゴイズム全開の非常識な手法だったのだが…どうやら自由党の「自由」とは

「エゴイズムの自由」

を意味するらしい。


目的の場所、「財務省理財局国有財産業務課」は入口の扉に鍵をかけ、「関係者以外入室禁止」の貼り紙までしていたと言うから森裕子らの用件に対する回答は明らかだ。それでも居座り続けた。見かねた職員や衛視が退去を要請しても応じない。職員が

「我々にも守秘義務がある」

「業務に支障が出ている」

と理由を言っても納得しない。自分達の事だけで相手の都合は考えない。その時点で「政治家失格」なのは明らかである。「公益」を大義名分に私利私欲でしか動かない人間に国家国民の事を考える政治など出来る筈もない。

森裕子らに退去を要請した職員や衛視が

財務省庁舎の管理権に基づき」

退去要請したのは間違いないだろう。最終的な権利者でないにしろ、権限の委任を受けて行った事に疑いの余地はない。また、「退去に必要な合理的時間」とは持ってきた荷物をまとめる、とか着替えや靴を履く為の時間を言うのであって、森裕子の様に数時間居座る、と言うのはその範疇を明らかに逸脱している。不退去罪での立件事例に「3時間店に居座りクレームを入れ続けた」と言うのがあるので、5時間居座った森裕子に「退去に必要な合理的時間」を主張する余地はない。

と、言う訳でこれらの行為が

「不退去罪の構成要件を外形的に満たす」

事は確かだろう。調査だ真相究明だと綺麗事を口にしながら行っている事は犯罪行為、と言うのが野党議員の「実態調査」の真相なのである。これで無理矢理データを提出させていれば


これに抵触する可能性が出てくる。「国政調査権」とは「衆議院参議院」といった「議院の権限」であって「議員の権限」ではないのだ。それを恰も「議員の権限」の様に思わせ、主張するのは「権利の濫用」でしかない。

尤も不退去罪は親告罪なので当人が告訴しないとこれらの行為を罪に問えないが、この先野党議員は森友問題絡みで財務省に、また日報問題に託つけて防衛省にも同じ事を行う危険がある。従って財務省防衛省は野党議員が「調査と称して」来訪すると連絡があれば明確に拒否し、該当部署に鍵をかけ、居座り出したら退去要請を行い、聞き入れられなかった場合は110番通報して「不退去罪の現行犯で」逮捕して貰う事が一番だろう。国会議員には「不逮捕特権」があるとは言え、現行犯には適用されない。

だからと言って財務省防衛省の問題がなくなる訳でも、罪が軽くなる訳でもないし、「弁護できる事」でもないが、野党議員の無法にまで萎縮する必要もないだろう。毅然とした対応をしても良い、と言うか

「そうする事で野党議員にそういうことをさせない」

対応も場合によっては必要なのではないだろうか?野党も野党でそんな能力がないにも関わらず自分達で真相究明しよう、とかそういう姿勢だけを見せることで国民の支持を得よう、なんてゲスな考えは止めるべきだ。そういう野党の暴走こそが真相究明の一番の「邪魔」なのだが連中が一難それを理解していない。情けない事である。