無意味だった党首討論




「国会論戦の目玉」になる筈だった党首討論。今国会では「もりかけ」を取り上げるなど本来国策を党首が直接論戦する場にも関わらず「まともに機能していない」としか言い様のない展開だった。

だが、一つだけ与野党の認識が一致した事がある。


それは上記の通り、

党首討論の使命は終わった」

と言う事である。

現在の党首討論は野党に45分の質問時間が与えられ、それを各党で分配する。余り長くすると受け続ける首相には負担増となるが、短いと少数野党の質問時間は数分しかなく、質問一つで終了、なんて事にもなりかねないと言うジレンマが存在している。また、質問に対する答弁時間も質問者の持ち時間にカウントされるので、答弁を長くして更なる質問を封じる作戦も、また質問を長くして答弁を封じて核心を言及させず、誤った印象を与える作戦も使えてしまう。

いずれにしても現状の党首討論のルールでは本来期待されている議論の実現には程遠いものでしかない事は確かであろう。制度の存廃を含めて在り方自体を議論すべきなのは間違いないであろう。

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「安倍政権の問題点を7つ列挙したい」

としたが、真っ先に挙げたのは森友…しかも上記の様に「議論を振り出しに戻す」発言である。公文書管理の方策とか、国有地売却の手続きの透明化、と言った話ならまだしも党首討論にまで持ち込む話ではない。どうしても取り上げたいのであれば「自分達の主張を裏付ける証拠」を挙げるべきだが、そういうシーンもなかった。要するに「時間の無駄」以外何も生まなかった訳だ。

※皮肉をチクリ…

現状の制度での党首討論は意味をなしていない、と言うのであれば制度を見直すか、党首討論自体を廃止するかしかない。党首討論のルール改革、と言うなら例えば予算案や重要法案においてはそのテーマに限定した討論の開催を義務付け、同時に時間も見直すとか、出席する党首が一堂に会してバトルロイヤル形式で行う、とかアイデアは幾らでも出てくる。要は「やる気」の問題だ。

そもそも今回の党首討論は国民民主党が開催にこだわった。だがその理由は共同代表の大塚耕平を目立たせる、と言う目的でしかなかった。政党の党首が前面に出て自分達の主張や政策をアピールする事は否定しないが、党首討論でそれを行う、と言うなら確固とした主張がなければ逆効果にも繋がる。単にTVウケだけを狙って騒ぐだけなら誰でも出来る。自分達の主張を強調したいなら「その政党の党首にしか出来ない事」をTVの前ではして貰いたいものだがそんな器量のある人材は野党にいない。居たとしても野党がこんな体たらくでは早々に見切りを付けられて当然であろう。だから野党には支持が集まらず、まともな人材もいないのだが、情けない事に野党にそれを認識する事は出来ない。これでは話にもならないが、それが野党の現状である。そういう意味でも今回の党首討論で野党は

「自分達が『ゴミカス国賊野党』」

と自ら証明したに等しい。またしても、である。