飾りじゃないのよ脚は。

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国際宇宙ステーションISS)に配備されているロボノートという人型ロボットがあるという。宇宙飛行士に代わって船外活動をさせる目的だと言う。現状は上半身のみの形だそうだが、この度NASAが彼(?)に脚を付け加えると言うことだ。

このロボノート、人間による遠隔操作は勿論だが内蔵の人工知能で自分で判断して動作するスグレモノだそうだ。宇宙では気軽に船外に出たらどんな危険に見舞われるか分かったものではない。故にISSで実用化出来る意味は大きいだろう。また、脚が加わることで船外活動時に場所の固定が容易になり、作業が楽に、安全になるのは確実だろう。

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…脚のない人型ロボットというと、「機動戦士ガンダム」に登場した「ジオング」を思い浮かべる方は多いだろう。筆者が見たロボノートの記事でも何故かジオングについて触れていた。

…「機動戦士ガンダム」の終盤、「ジオング」に搭乗する事になったジオン軍のエースパイロット、シャアはジオングを見るなり「脚はついてない」と傍らの整備兵に文句を言う。そんなシャアに彼は「あんなの(=脚)飾りです。偉い人にはそれが分からんのです!」と言う。この整備兵、作中では名前もなく、このシーンしか登場しないが、この絶大なインパクトある台詞故、存在感があり、またジオングを引き立てる結果にも繋がっているのだろう。何せジオングはそれまで無敵だった主役機ガンダムを相打ちとはいえ、倒しているのだから。

しかし冷静に考えるとロボノートはISSの整備の為にあるわけだから、ISSから離れた活動は想定していないのだろう。従ってISSに固定する装置が必要だ。人型にした以上新たに付け加えるのは脚しかない。
これに対してジオングは拠点から出撃して活動する事が前提の「兵器」だ。脚がなくて動けないならそれはモビルスーツではなくただの人型砲台だ。宇宙を飛行するなら脚はなくても問題なかろう。
先の整備兵はジオングの完成度が80%と聞いたシャアに現状でジオングの性能は100%出ると断言していた。それは嘘ではなかった…と思う。

記事では「現在の技術では脚があった方が良さそうだ。」としていたが、先述したようにロボノートとジオングでは運用の前提からして違う。そこを一緒くたにして論じるのは如何なものであろうか?記事を書いた記者もウケ狙いでジオングの話を絡めたのだろうが、人型ロボットの脚の必要性はその用途によって左右されると考えられる。ただ例え如何なる用途の宇宙用人型ロボットの脚は飾りではない事だけは間違いなさそうだ。