アインシュタインとSTAP細胞

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アインシュタイン一般相対性理論を提唱したのは1915年の事だが当初「世界で三人しか理解出来ない」などと言われる難解な理論だった。その正確さが証明されたのは四年後の1919年の皆既日食の観測である。

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一般相対性理論によると大質量の物体(例えば太陽)の周囲の空間はその質量によって歪められる。そのため付近を通過する光の進路はその歪みによって曲げられる。その結果太陽の真後ろで本来観測出来ない筈の星が見えてしまう、などという現象が起きると説明する。

それを確かめるべく皆既日食の際にそれを確認し、一般相対性理論の計算値と一致するか検証が行われた。結果相対性理論の予測と一致する事が確認され、一般相対性理論が正しいと認識された。

百年近く経った現在でも皆既日食があればその度に同様の検証をする科学者はいるという。最初の検証当時から百年近く経った現在とでは検証技術も精度も雲泥の差があるが結果は一般相対性理論の予測と一致する。故に一般相対性理論が正しいと認識され、そこから導かれるブラックホールの存在や膨張する宇宙の姿なども一般的に受け入れられている。現在ではこのように一般相対性理論は当然の如く認識されているが、検証を経て間違いナシとされるまで数年かかっている。

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ではSTAP細胞問題はどうか?
  
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140508-00000124-mai-sctch

小保方さんの不服申し立ては理研が却下した。従って理研は小保方さんのSTAP細胞に関する疑義について「悪意(故意と同義)」と認定した事になる。尤も調査委のメンバーにも論文の疑惑が浮上し、最終報告をまとめた際の委員長である石井俊輔・理研上席研究員が委員長を辞任する異常事態となったりと理研側にも同様の疑惑があって問題の責任を小保方さん一人に被せて終わらせようと取れなくもないが。

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これに先立ち小保方さんは自分が実験や研究をしていた事を証明すべく自らの実験ノートを一部公開してたが内容としては8ヶ月で4ページ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140508-00000111-zdn_n-sci
更に三年で実験ノート二冊
http://www.itmedia.co.jp/news/spv/1404/01/news089.html
とされ更に肝心の内容は衝撃的な事に「小学生の理科の観察日記並み」とネットで揶揄される程度の代物であった…
研究をしていた証明として公開したようだが、逆効果に終わった感じがしなくもない。

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物理学でも生物化学でも新たな現象の発見や理論の提唱は当人以外の再現や検証が欠かせない。科学法則や理論は万人が共通の結論を得て初めて成立するものである。その意味ではSTAP細胞は本人が200回再現しても他人が成功しないと意味はない。それを忘れて大々的に報道したマスコミにもこの騒動の責任はあるはずだが、彼等はどう受け止めているだろうか?