史上最大の陸棲生物

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※ティタノサウルスの想像図

アルゼンチンで世界最大クラスの恐竜化石が発見されたという。どうやら竜脚類ティタノサウルスの仲間のようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140518-00000016-jij_afp-sctch

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…写真をみれば一目瞭然だが、人間よりデカい大腿骨の持ち主である。推定体長40メートル、体重は推定で100トンにも達したと考えられている。

つまりこの恐竜の復元骨格が作れた場合、その長さは普通の電車車両約二両分に匹敵する。また体重はシロナガスクジラの170トンには及ばないが、あちらさんは海棲生物である。陸棲生物としては史上最大はまず間違いなく、これを上回る体重の生物が陸に存在した可能性は極めて低いと言えるだろう。

…例えばある生物の大きさを二倍に拡大したとすると、体重は8倍になるが、それを支える四肢の太さ、即ち接地面積は4倍にしかならない。従って現実問題としてバランスを取るために接地面積を増やす=四肢を更に太くする必要性がある。しかし四肢が太くなりすぎると今度は歩行に支障が出る。いくら体重を支えられる強靭な四肢があっても動けないのでは意味がない。その限界点は体重140トンだと言われている。(ニュートン別冊:恐竜の時代より)

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※100トンと言えば…
そう来ると思った人は多いかな?

クジラの場合は一生を海で暮らす為、海水の浮力によって体重に制限がない。時折陸地に打ち上げられたクジラのニュースがあるが、多くの場合クジラは助からない。これは自分の体重を支えきれず内臓が潰れる為である。

どんだけ喰ってそんなデカい体になるのかと言う疑問が当然の如く出てくるが、それはこの恐竜の代謝システムにもよる。

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※セイスモサウルスの想像図

サイズが一回り小さいが(でも体長33メートル 体重45トンで仮定)のセイスモサウルスの場合、鳥類や哺乳類同様の内温性動物だと仮定すれば1日あたり450キロの植物を食べる必要があるという。体重12トンのアフリカゾウが1日あたりで自分の体重の1%の食事をしていた事からそれと同じとすればそうなる。

イラストなどではこれらの竜脚類が群れて行動する構図になる事があるが、実際にそうだったら幾ら植物があっても足りないのは明らかだ。この場合彼等の通った跡は文字通りペンペン草一本たりとも残らなかったに違いない。

しかし、トカゲやカメ同様の外温性動物と仮定するならば食事は1日あたり90キロで済むと言う。これならば竜脚類が現在のゾウ並みの生態系における地位であるならば生存と存続は可能だろう。とは言っても成体まで生き残る個体は極少数でその多くはその前に死んでしまう可能性が高かったと容易に想像出来るが。またここまで身体がデカいと一度上がった体温はなかなか下がらず結果的に体温が保たれるとする研究者もいるようだが、この生物の場合それが真実かもしれない。

今回発見された恐竜に近いと思われる(または同種の)アルゼンティノサウルスの場合外温性動物ならば心臓は直径50センチで済むが内温性動物ならば心臓の直径は2メートルが要求されるとする研究結果もある。人間がスッポリ入る心臓とは恐れ入るがそうでないと脳に酸素を送れず生物として存在出来なくなってしまう。

いずれにしても恐竜化石の発見は我々の想像を大いに刺激してくれる。現在考えられている事が真実かも知れないし、次の発見で今までの常識が全て覆される可能性は常にある。また新たな発見に期待したい。