ゴジラの教訓
昨日渋谷で開かれている「G博」に行ってみた。
最大のお目当てはコレである。
…純金ゴジラ、一億五千万円だそうだ。
行って最初に驚いたのは意外に外国人の観客が多かった事である。60年前に生まれた核の恐怖を伝える怪獣が世界的に有名になり、アメリカでも「Godzilla」として作られるとは…
そしてそのキャラクターの展示会にわざわざ足を運ぶ外国人がいたのが感慨深いと共にある意味嬉しく思う。
会場には他国で上映された際のポスターの展示もあった。アメリカだけでなく、世界各国で上映された事でゴジラは反核の使者として十分に仕事をしたに違いない。「核なき世界」と口だけでノーベル平和賞を受賞した某国大統領よりも遥か以前にそれ以上の働きを…
撮影不可の為、画像は拝借だが、実際に映画で使われた「オキシジェンデストロイヤー」の小道具も展示してあった。
「ゴジラ」作中でこれが軍事利用される事を怖れて使用を頑なに拒む発明者の芹沢博士だったが、テレビで流れる平和を祈る少女達のコーラスが彼を変える。研究資料を全て焼き捨て、かつ自らゴジラの道連れになる事で秘密を守った芹沢博士。しかし映画では40年後にこれが原因で新たな怪獣が誕生してしまう。VSシリーズ最後の敵、デストロイアである。
…と、いう設定の「ゴジラVSデストロイア」だが、ゴジラの死だけでなく、「人間がした事は最後には人間自身に跳ね返ってくる」と、いう象徴的な存在にデストロイアは受け取れた。少なくとも筆者にはそうだった。
ゴジラ映画のファンにも様々な理由でファンになった人がいるだろう。例えば特撮だったり、映画の設定だったり、ゴジラ自体の造形だったり…
筆者は映画に内包されるテーマだった。人類の文明が如何に発達しようが、人類が新たに地球同様の惑星やスペースコロニーでも作らない限り地球環境の枠内にいなくてはならない。従って地球環境との共存共生は必然ではあるまいか?ゴジラを(作品にもよるが)人類の文明発達の負の遺産の象徴とするならばまた新たな側面が見えてくるのではないだろうか?地球温暖化など現在進行の問題は事実存在する。映画を見て改めてそれらの問題について考えるきっかけになった。