温室効果ガス排出も環境破壊だ

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※グラフを見ると一目瞭然。

2013年度の温室効果ガス排出量が 前年比1.6%増の13億9500万トンと、1990年度以降で過去最大になったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141204-00000102-mai-env

原因は明らかである。福島第一原発事故以降原発が稼働せずその分を火力発電で強引に補っているからである。火力発電はその性質上如何に効率を上げても、「物を燃やしてその熱でタービンを回して発電」する以上温室効果ガスの発生は避けられない。そしてその温室効果ガスは大気中に放出するしかないのは宿命である。東日本大震災以前は原発が日本の発電量の約3割であった。それを火力発電で、それも老巧化した火力発電所にも鞭打って補っているのが現状なのだから排出される温室効果ガスの増大は当然である。
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温室効果ガスを垂れ流し、年間4兆円を灰にする。火力発電オンリーも考え物。

温室効果ガスを無造作に垂れ流していると温室効果による気温上昇、それに伴う生態系への影響海面上昇等地球全体に大きな影響を及ぼす。考えようによっては原発事故でバラ撒かれた放射線による被害よりも甚大な被害になる可能性すらあるのだが、環境保護を叫ぶ連中に限って原発放射能は危険だから原発0」と叫んでも「地球温暖化ストップの為火力発電0」とは言わないし、筆者自身聞いた事がない。環境問題を真剣に考えるならこちらの方にも関心を払ってもらいたいものだ。

通常の場合原発から放射能が漏れた場合、それは事故を意味する。勿論甚大な被害になるのは間違いないが、原発が正常に稼働していれば、それが支那や韓国製でもない限り放射能漏れはほぼない。しかし火力発電所温室効果ガスを垂れ流している場合、それは正常稼働を意味する。火力発電所から温室効果ガスが出ない場合、それは事故や故障で止まっているからに過ぎない。現在の様に原発を稼働させずに火力発電に頼っても後々ボディーブローの如く我々に跳ね返ってくる。原発0を叫ぶ人達はそこを理解しているのだろうか?


自然エネルギーを使ってはどうかと言う意見もある。自然エネルギーは確かにそれに伴う環境破壊はないかも知れないが、例えば太陽光発電の場合大量の敷地が必要になる。都市を避けて山林に作ろうものなら大規模な森林伐採が必要になる。これも立派な環境破壊になってしまうのだが…
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太陽光発電パネル。これだけ巨大でも原発1基の0.3%の出力しかない。

原発のメリットの1つは「温室効果ガスを出さない」点である。これは火力発電では克服不能なメリットである。一方原発のデメリットとしては「事故を起こすと甚大な被害になり、回復が困難」な点だが、その欠点を克服出来る可能性を秘めた原子炉が開発されているという。
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http://www.sankei.com/column/news/141130/clm1411300008-n1.html

日本原子力研究開発機構の高温ガス炉(HTTR・熱出力3万キロワット)が、高い安全性と利便性を評価され、国内外で熱い視線を集めているのだ。
何しろ、配管破断で冷却材を喪失しようが、電源を失なおうが炉心溶融(メルトダウン)などの過酷事故には至らないのだからすごい。固有安全性を備えている原子炉は自然に冷温停止してしまう。
テロや隕石直撃とか、ゴジラ襲来でもない限り放射能漏れも心配ないのだろう。
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※こんな事でもない限り安全なら心強い。

その上運転に水を全く必要としないので、内陸部にも建設可能。津波で被災する心配もない。砂漠に建設しても運転できるスグレモノだ。問題はまだ研究段階でしかない事や通常の原発に比べて出力が劣ることだが、原発と火力発電の双方のデメリットを同時に克服出来るのならばたいした問題ではあるまい。自然エネルギー発電推進よりも余程現実的な選択肢ではないかと思う。

日本は島国であるが故にエネルギーの自給自足は絶対条件である。支那や韓国から輸入するなど亡国の言に等しい愚劣な考えだ。例えるなら家の合鍵を泥棒に預ける様なものだ。原発0を叫ぶ人達はそこを理解していない。HTTRはそれらの問題解決の可能性を秘めている。これに期待してみるのも一考であろう。