また繰り返される歪曲報道

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防衛省設置法12条の改正を巡り議論が起きているようだ。

防衛省は、自衛隊各幕僚監部(制服組)に対する内局(背広組)の優位を規定したとされることもあった防衛省設置法12条を改正し、「内幕対等」を明確化する方針を固めた。また部隊運用権限を統合幕僚監部に一元化し、運用に関する報告をシビリアン(文民)である防衛相に直接行いやすくする。

中谷元防衛相は24日の記者会見で「設置法12条の改正で、より一層シビリアンコントロール文民統制)が強化されるという結論に至った」と強調した。

現行設置法は、内局の官房長や局長が防衛相を「補佐」するとした上で、防衛相は陸海空自衛隊と統幕に対し(1)指示(2)承認(3)一般的監督-を行うと規定している。この規定により、局長らが自衛隊に「指示」「監督」を行うと誤解されかねないとして、国会審議や自衛隊内から批判があった。

設置法改正で、内局が政策面で防衛相を補佐し、自衛隊は軍事面で補佐することを明確にする。

また、内局と統幕の役割に重複があった部隊運用の権限を統幕に一元化し、内局の運用企画局を廃止する。これまでは統幕長が防衛相に報告する際、運用企画局長との連絡・調整が必要だった。

文民統制は、背広組が制服組を統制する「文官統制」と混同されることもあるが、本来は国民から選挙で選ばれた政治家による統制を意味する。今回の法改正で速やかな防衛相への報告が可能となり、文民統制が強化されることになる。》

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150225-00000086-san-pol

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…記事をよく読めば分かることだが、この改正案は「文民統制の制度」そのものを変えようと言う趣旨ではない。変えようとしているのはあくまで「文民統制の方法論」である。制服組と背広組の役割分担を明確にするだけだ。ニュースソースに選んだ産経新聞や読売新聞は流石その辺りをキチンと理解して正確に伝えているが、これを批判的に報じるのが左翼系メディアである事から察するに連中は改正案の趣旨を理解せずに報道しているか、意図的に論点をすり替えているかのいずれかであろう。相も変わらず困った連中だ。左翼連中は自らの主張が日本の安全保障に有害なものでしかないと一体何時になったら理解するのだろうか?

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憲法下では文民統制に関する規定はなかった。それどころか軍部大臣(陸軍大臣海軍大臣)は現役の将校で尚且つ中将以上でないと任官出来なかった。本来は「餅は餅屋」と言う趣旨だった筈が軍部がこれを悪用して「自分達の主張が受け入れられない大臣辞任後任大臣選出拒否内閣総辞職」と言う倒閣方程式を確立してしまった。従って首相も軍部の顔色を伺う様になり、それが軍部の暴走に繋がった原因にもなったと言えるだろう。この反省から憲法66条の規定が存在するのだ。そういう理由で「この平成の世に軍国主義日本の復活は嫌だ」と言う護憲論者は憲法9条よりも66条を死守する事に全力を傾倒して貰いたい。

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ここで言う「文民」とは現在では現役の自衛官でなければ該当すると考えて差し支え無いようだ。現憲法制定直後では職業軍人の経歴のある者で軍国主義思想を持っていると考えられる者も「文民」ではなかったとされていたが、流石に戦後70年も経てばその該当者が現役でいる可能性は限りなく0に近い。…と、なれば別段気にすることもなかろう。

報道において重要なのは事実を如何に正確に伝えているかであるが、この件に限らず左翼系メディアは理由はどうあれまずそこからして出来ていない。また無意味に論点をすり替えるのは世間を混乱させるだけの弊害しか生まない。不思議なことにそれを何度繰り返しても連中は理解しない。連中は記事を書く前に読解力の向上が必要だ。