ゴジラと東京大空襲

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昭和29年版「ゴジラ」ではゴジラは先ず品川に上陸し、周辺を破壊して一旦は海へ帰る。しかし再び東京を襲撃したゴジラは今度は芝浦から上陸、新橋、銀座、有楽町、永田町を蹂躙する。その後皇居周辺を回り、上野、浅草を火の海にした後、隅田川を下って最後に勝鬨橋星一徹必殺のちゃぶ台返しよろしく(?)ひっくり返して再び海へと去って行く…

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※「ゴジラ」より。

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※ネットで拾った1954年版「ゴジラ」の襲撃コースの図。

このゴジラの襲撃進路、実は今年70年を迎えた東京大空襲のルートに酷似していると言うのは以前から言われていた話である。周知の通りゴジラは核実験によって誕生した怪獣である。筆者は戦争を知らない世代だが、この映画公開当時に映画館で「ゴジラ」を見た人の殆どが戦争体験のある人達であった事は容易に推察出来るだろう。映画公開時、戦争が終わって9年。ゴジラは忘れ去られようとしていた戦争の恐怖の記憶、それもヒロシマナガサキ東京大空襲の全てを1頭で表現した…と、解釈する事も強ち不可能ではあるまい。

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東京大空襲の被災地域。被害地域にある程度類似性があると言えなくもない。

その東京大空襲、筆者の勤務先の社長は子供の時に体験しており、その体験談を聞いたことがある。筆者は小学校が東京大空襲で最大級の被害を受けた地域にあっただけに郷土史ではかなり重点的に授業が行われた。それなりに東京大空襲については話を聞いていたつもりだったが、実際には残された写真だけでは絶対分からない凄惨な光景だったと言う。こればかりは実際に体験しない限り分からないのだろうが。そいつは御免蒙りたい。

そしてその実態は米軍による「非戦闘員への無差別攻撃」である。どんなに表現を緩和したところでこれは否定のしようがない点だ。戦争にもルールがあるのだが明らかにそれを逸脱した戦争犯罪であるとしか言い様がない。しかもアメリカは日本の木造建築を一番効率よく燃やす為ご丁寧に実験を繰り返して焼夷弾を開発、運用した。どう考えても意図的にやったとしか言い様がない。

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※最悪の対応はこれ。

…とは言え、それを「1000年恨め」とか「アメリカに謝罪と賠償を要求すべし」等とまるで韓国の様な事を主張したい訳ではない。まず重要なのは「そういう認識を持つ」事である。

そういう認識を持てないのは歴史的事実を受け入れられないことに他ならないが、政治家たるものがこれでは先が思いやられる。

http://www.sankei.com/politics/news/150310/plt1503100023-n1.html

民主党細野豪志政調会長は10日の記者会見で、70年を迎えた東京大空襲について「国策の誤りを反映した結果だ。過去の総括はしっかりとしていかなければならない」と述べた。東京大空襲が非戦闘員の殺戮を目的とした米軍の無差別爆撃であることには一切言及しなかった。

細野氏はドイツのメルケル首相の来日にも触れ、ナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)に関して「全体としてしっかりと総括しているのがドイツだ」と指摘した。その上で「日本と同列に論じることはできないが、反省のあり方として、わが国が先の戦争で自国民、周辺諸国に対して大変な被害をもたらしたことについて真摯に反省することは重要だ」と語った。》

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※ダメダメコン

大東亜戦争が「国策の誤り」と言うのもどうかしている。少なくともアジア諸国の欧米による植民地支配からの解放」と言う目的は明言されているがそれを「国策の誤り」と言うか?仮に1億歩譲ってそうだとしても「国策が誤りなら相手の明らかな国際戦争法規違反の無差別攻撃による非戦闘員たる一般市民の大量殺戮は正当化される」とでも言いたいのか?そういう認識を前提にした「過去の総括」に一体何の意味があるのか?誰であれ思想信条の自由はある。歴史を語るのも自由だ。だが、細野豪志の様に「東京大空襲が非戦闘員への無差別攻撃」と言う事実の本質に言及出来ないのならば却って世間に有害な影響をもたらす。個人がSNSで発信するならともかく、腐っても一般人以上に発言に重みのある政治家と言う職にある以上、尚更である。

結局は本人及び民主党は日本に居ながら日本の為に歴史的事実や本質を発信出来ない政党に過ぎないと言う事だ。こんな政党に日本の将来を任せてはいけない。

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※安倍首相は現役首相として慰霊祭に初参加。理由はどうあれ「戦争で亡くなった人達」を悼む気持ちは誰よりも強い人だ。