記事短評~日韓防衛相会談~

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先日行われた日韓防衛相会談が韓国で波紋を広げている。

http://www.sankei.com/world/news/151023/wor1510230045-n1.html

朝鮮半島有事の際、安保法に基づく自衛隊の活動許容範囲に「北朝鮮領域」が該当するのか否かで日韓の見解が別れたが、それを韓国国防省は公表せず、後にそれを知ったメディアから集中砲火を受けていると言うのだ。

朝鮮半島有事で自衛隊が米軍(韓国軍の、では断じてない。)の後方支援を行う際に朝鮮半島に上陸する必要が発生した場合、事前に韓国の同意が必要、と言う点では見解が一致している。これは別段韓国への配慮とは言い難い。どの国であれ自軍が他国の領域で活動する際にはその国の了解が必要なのは当然だ。何も韓国に限った話ではなく、他の如何なる国であれそれは同様だ。

ところが自衛隊北朝鮮領域に上陸するケースも有り得ないとは言えない。朝鮮半島有事で戦局が在韓米軍に有利に展開して(決して韓国軍が、ではない。)最前線が平壌辺りまで行った場合などだ。こういう場合、後方支援する場所が38度線以北、なんて事も考えられるが、こういった場合、日本は「韓国の同意は不要」、韓国は「この場合でも韓国の同意は必要」と言うのが見解だ。

日本は北朝鮮を国家として承認していないが、38度線以北を現在の韓国の実効支配地域と認めている訳でもない。しかし韓国は憲法で「韓国の領土は朝鮮半島全域」としている為、この様に見解が別れる事になる。

中谷防衛相の発言

「韓国の有効支配が及んでいる範囲は軍事境界線の南側だ」

に対して

「韓国の同意なしに自衛隊北朝鮮に入ると解釈できる」(韓国メディア)

「傲慢で無礼な発言」(与党セヌリ党幹部)

と言った批判が国防省に浴びせられる事になった訳だ。しかもこのやり取りを韓国国防省

「非公開(の方針)だった」

と、釈明したが中谷防衛相は

「非公開とする合意はなかった」

と発言。韓国国防省は更に

「隠蔽した」

「なぜ反論しないのか」

と言った批判を野党やメディアから浴びせられる事になった。

…経緯を考えれば恐らく韓国にとって更に不利な会談結果だったのではないか?とも思える。そうでなければ最初から公開しない方針にはするまい。韓国なりに懸念を伝えたのかも知れないがそもそもそれ自体が日本での野党の頓珍漢で愚劣な反対論同様かそれに毛の生えた程度の代物だったのではないか?

…だとすれば韓国は閣僚でも日本の野党レベルでしかないと言う事なのだろう。大したレベルではない。 その時点でこの国に過度な配慮など一切無用であると言っていい。そんな国の国益を日本の国益より優先する意味がないだろう。ねぇ、民主党諸君。