バイデン発言を認めたくない岡田克也
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先日アメリカのバイデン副大統領が
「(日本が)核保有国になり得ないとする日本国憲法を私たちが書いた」
と発言した、と言う一件は不肖筆者も記事にした。
その発言について岡田克也は18日の記者会見で
「最終的には(日本の)国会でも議論して(現行憲法を)作った。米国が書いたというのは、副大統領としてはかなり不適切な発言だ」
と、バイデン発言を批判した。
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現行の日本国憲法が国会での審議の上、可決された事に間違いはない。だが、それは結局のところ「マッカーサー草案」を口語化して若干の修正をしただけに過ぎないと言える。それどころか日本政府にGHQ草案を受諾させるために強制力を用いる恫喝を使用する権限と、強制力そのものを行使する権限を付与されていた。実際
「案を飲まなければ天皇を軍事裁判にかける」
「我々は原子力の日光浴をしている」
…といった具合の恫喝、と言うより脅迫としか言い様のない発言まであったと言うからそれらが「押し付け」でないならば一体何だと言うのだろうか?岡田克也の見解を是非とも聞きたいものだ。…尤も1946年2月1日にGHQ総司令部民政局長だったホイットニーは
「現在(マッカーサー)閣下は、日本の憲法構造に対して閣下が適当と考える変革を実現するためにいかなる措置をもとりうるという、無制限の権限を有しておられる」
と結論するレポートまで書いていたそうだが、同時に2月26日に迫った極東委員会の発足後は、マッカーサーの権限が無制限でなくなることも併せて指摘していた。極東委員会における国際世論(特にソ連やオーストラリア)から天皇制の廃止を求める声が出る恐れを懸念したマッカーサーとしては極東委員会の発足前に天皇制を存続させる憲法案を起草する必要に迫られていた訳だ。…そして自分の権限が「無制限」である内に。その「マッカーサー草案」に基づく日本政府案の起草決定・作業開始が閣議決定されたのはその2月26日だった。因みに毎日新聞が「松本委員会案」と言う憲法改正案のスクープをしたのは2月1日だった。…何を言わんや、である。
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更にホイットニーは憲法起草チーム全員に対して
「天皇とその権限を維持する唯一の可能性はGHQ草案の受諾以外にない」
という恫喝を用いる権限、恫喝のみでなく実際に強制力を行使する権限がマッカーサーから付与されている、とまで表明しているのだが…
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それらの事実を前提として「日本国憲法を書いたのはアメリカ」と言う発言の何処がどう不適切だと言うのか?バイデンが日本国憲法の条文を逐一知っているかは別にして、その発言は事実を指摘しただけに過ぎない。また、日本国憲法は明文で核兵器の保有を禁じてはいないが、相手国の標的を一方的に破壊する攻撃型の性質の兵器が「専守防衛」に沿うのかどうかを考えればその答えは自明の事である。わざわざ言及するまでもない。それよりも岡田克也の一連の発言で問題なのが
「(GHQが)草案を書いたかどうかというよりは70年間、日本国憲法を国民が育んできた事実のほうがずっと重要なことだ」
と言う発言の方だ。自分の口でバイデンの発言を批判しておいて、その舌の根も乾かぬ内にこの発言では支離滅裂でしかない。だから岡田克也は阿呆で無能でクソの役にも立たない、と言う理由が此処にあるのだが、自身ではその理解はない様だ。「日本国憲法を国民が育んできた」のであれば何故「改憲」が党是の自民党が永らく政権の座にいるのか?また「護憲」を掲げる政党から出た政権が悉く「まともじゃなかった」事実をどう説明すると言うのか?単純にこれまで憲法改正よりも国民にとっては自分の生活に密着した問題により関心があったか、これまで改憲発議の条件を満たす国会の勢力分布にならなかった、と言うだけの話でしかない。制定以来一度も改正されない憲法の運用に「発展」の要素を求めるにはそもそも無理がある。一字一句変わらないのは「育んできた」のではなく「停滞させてきた」だけでしかない。岡田克也は認識からして根底から間違っている。
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伊藤博文が中心になって明治憲法を作成した際、まず他国の憲法を研究する事から始めたが、その時
「憲法はその国の歴史・伝統・文化に立脚したものでなければならないから、いやしくも一国の憲法を制定しようというからには、まず、その国の歴史を勉強せよ」
と、アドバイスされたと言う。日本国憲法が「日本のどんな歴史・伝統・文化」に立脚したものなのか?バイデンの発言内容を否定したいのであればその答えが必要だ。それらが日本国憲法から感じられないのは「日本の歴史・伝統・文化」をロクに知らないアメリカ人が作った事を裏付けているとは言えまいか?「護憲」を唱えるのは自由だが、その前に日本国憲法が「日本のどんな歴史・伝統・文化」に立脚したものなのか、聞いてみたいものだ。
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