朴槿恵の悪足掻き
韓国史上初となる現職大統領への聴取を巡って朴槿恵の悪足掻きが続いている様だ。
検察は朴槿恵への聴取を18日までに行いたい意向だが、朴槿恵サイドは頑としてこれを拒否、朴槿恵の弁護士、柳栄夏は
「弁論準備を最大限急ぎ、来週には聴取が行われるよう協力する」
「検察の調査に応じないと言ったことはない」
等と言うが、その真意には朴槿恵の保身の意思が透けて見える。
崔順実や共に逮捕された前大統領府首席秘書官らの勾留期限は20日なのだそうだ。当然それまでに彼等を起訴する必要があるのだが、検察に言わせれば朴槿恵こそ「疑惑の中心」なのだから、起訴する連中の起訴状には朴槿恵の関与や供述内容を出来るだけ詳細に盛り込みたい、と考えるのは当然である。だからこそ検察としては18日までに朴槿恵の聴取を実現させたいのであろう。
… 逆に言えば検察のそういう事情は朴槿恵サイドとしては出来るだけ朴槿恵本人の関与の度合いや責任を回避する理由になる。それ故柳栄夏は
「1週間ほど(準備に)時間が必要」
「直接聴取ではなく書面での聴取が望ましい」
「取り調べは最小限であるべきだ」
等と主張するのであろう。穿った見方をすればそこには当然朴槿恵の関与の「証拠隠滅」と言う狙いもあるのかも知れないが…
いずれにしても職権乱用などの容疑を立証するには、将来的な大統領弾劾も念頭にした朴槿恵自身の供述が不可欠なのだそうだが、それを起訴状に盛り込ませないのは「捜査妨害」と言う結果を生む事を意味する。朴槿恵は4日の国民向け談話で
「検察の捜査を受け入れ、協力する。」
…等と言ったが、どう考えても朴槿恵サイドの姿勢は「協力的」とは言えまい。この国は大統領からして率先して嘘を平気で、それも公の場で吐く国の様だ。
また、朴槿恵サイドは
「国政遂行に支障が出る恐れ」
を聴取に応じられない理由に挙げてると言う。事実、朴槿恵は日支韓首脳会談への出席の意欲を示すなど、この期に及んでもまだ外交や安全保障を引き続き担っていく考えを示している。菅直人もビックリの粘り腰だが、支持率5%、しかも上昇の見込みはない「詰んだ」「名ばかり大統領」など一体誰が相手にすると言うのだろうか？誰かに相手にされる前にこういう「事実上の検察の捜査妨害」に対して国民の非難が更に高まるのは火を見るより明らかだ。…流石に支持率はこれ以上下がりようがなさそうだが…
朴槿恵は野党の
「権限を首相に移譲して国政から手を引く」
と、言う要求に難色を示し、裁判で具体的な違法行為が立証されない限り退陣しない意向を示していると言う。勿論「保身の為の時間稼ぎ」と言う批判は必至だが、そうする理由なら…ある。
韓国与党セヌリ党は朴槿恵の後任に現在国連事務総長の潘基文とする方向で動いていると言い、朴槿恵としてもそういう意思があるらしく、潘基文自身もまんざらではないらしい。だが潘基文には来年1月までは国連事務総長の任期がある。だから潘基文の任期が切れるまでは何としても朴槿恵は大統領の座にしがみつき、潘基文の任期が切れた直後に辞任表明、大統領選挙で潘基文の勝利と引き換えに自身の疑惑追及を有耶無耶にしてしまう…と言う密約があったとしたら…？
また17日には韓国国会で一連の事件に関する特別検察官任命などに関する法案が可決された。これは捜査に影響を与える事の出来うる政府高官らが捜査対象になった場合、与野党の合意で導入され、この特別検察官は捜査範囲に制限はなく、政府から独立して独自に捜査を行う事が可能であると言う。最大で120日の捜査期間が与えられるが、1回のみの捜査期間の延長には大統領の承認が必要だとか。朴槿恵はこれを承認するのだろうか？
…検察と朴槿恵の攻防はまだまだ続きそうだが、朴槿恵のシナリオ通りに事が進む程、状況は甘くはないだろう。最早その存在自体が「国政の癌」になっている朴槿恵sの首が飛ぶのが先か？それともブチ切れた国民が暴動を起こすのが先か？最悪韓国の混乱に乗じて北朝鮮が何か仕掛ける事も「全くない」とまでは言えないだけに日本としても成り行きを注視する必要はあるだろう。
