朴槿恵は弾劾出来るのか?

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※替え歌で朴槿恵批判をする歌手も出現したとか?

3週間連続で「支持率5%」、そして17、18日に韓国で実施された世論調査によれば実に88.5%が

朴槿恵は退陣すべきだ」

と、回答したと言う。しかし、そんな国民の声が聞こえないのか?意図的に無視しているのか?真相は不明だが当の朴槿恵は22日に「国務会議」を主宰して、国政に全面復帰するつもりらしい。また、日本と支那韓国の3ヶ国首脳会談にも出席する方針を打ち出しており、これに反発する野党や国民との溝は深まる一方の様だ。

韓国では大統領はその在任中、内乱罪などを除いては刑事訴追の対象に出来ない、と言う憲法の規定がある。どういう意図があるにせよ、朴槿恵はその「特権」の上にあぐらをかいているに等しい状況だ。

そんな朴槿恵を大統領の座から合法的に「引きずり下ろす」唯一にして最後の手段が「大統領弾劾」である。朴槿恵に自ら辞任する意思がない以上、野党としてはコレに頼る他なさそうだが、そう簡単に話が進まないのが現状の様だ。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161119-00025703-hankyoreh-kr
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※それでも国民の声は朴槿恵には無視される運命らしい。

…先述した世論調査では「退陣すべきだ」という回答者のうち、73.1%は、朴槿恵が辞任する「下野」が望ましいと答えた。「弾劾による解任」を支持したのは、19.8%に過ぎなかった。

「下野」が望ましいとした回答者の内、59.7%

「弾劾手続きを踏むより早期に問題が解決できるため」

と、言うのをその理由に挙げている。この国で大統領を「クビ」にするのはそれだけ手間と「乗り越えなくてはならない高い壁」が存在する、と言う意味だ。韓国でも左派に属するハンギョレ新聞でさえ、その困難さを認める程である。

韓国野党「共に民主党」代表の秋美愛

「朴大統領の辞任拒否は確実となった。朴大統領が下野しなければ憲法によって大統領に付与された権限を停止させる措置に入る。後続の法的処置も計画している」

と発言したそうだが、現時点では「カード」として検討する価値はあってもその実は「ジョーカー」どころか「竹光」程度の代物でしかない。

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※韓国国会勢力図。少数与党でもまだ大統領を擁護は出来るようだ。…その気になれば、だが。

韓国国会で野党系の議員は171人、大統領弾劾決議には200議席が必要だ。単純に与党セヌリ党の25%近くを切り崩さないと大統領弾劾は最初の一歩で終わる。仮に朴槿恵弾劾に賛成する200議席の目処を立て、決議を可決したとしても現状ではそれで朴槿恵の大統領としての権限行使は停止出来るがその間の代行者は首相である。現首相の黄教安は「朴槿恵アバター」と言われる程の親朴なのだそうだ。コレでは弾劾の効果すら限定的なので先ずは「野党に都合の良い首相」にする必要がある。コレに関してはどうも野党間の足並みが揃っていない様だ。「大統領弾劾決議案」が「竹光」でしかない理由である。

それらをクリアしたとしても、憲法裁判所で裁判官9人中6人の賛成がなければ弾劾は成立しないが、その裁判官のうち7人は、保守系と目されている人物らしく、そこで朴槿恵の違法行為を立証出来ない限り、弾劾で朴槿恵を解任するのは困難であるとしか言えない。

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※こうやって朴槿恵を支持する人もまだ多い。

ハンギョレ

「一応国会を通過し、憲法裁まで行けば、これまで類を見ない滔々たる民心に憲法裁も逆らえないだろう」

と、答えた議員が居たそうだが、立法府の人間が率先して法治主義を否定するかの様な発言をしているのでは本末転倒でしかない。またこの議員は同時に

憲法裁の性向からして、弾劾の結果は不透明だ。しかし、弾劾はそれが分かっていてもやらなければならない戦いになった。回避する方法が見つからない」

とも発言しているそうだ。コレではどっちが追い詰められているのか判らなくなる。朴槿恵が自身への批判などどこ吹く風で「粛々と」国政復帰を謀れる訳だ。

…とは言え、15~16日に「国民日報」の調査に応じたセヌリ党議員101人のうち27人が、「弾劾の手続きに入るべきだ」と回答し、このうち18人は弾劾案の可決に賛成する意向を明らかにしたと言うから朴槿恵弾劾決議案可決も実現性が「ゼロ」ではない事は確かだろう。弾劾を行うのであれば最大のヤマはその提出のタイミングであろう。これを正確に出来なければ野党側の政権運営能力にも疑問符が付く結果にもなりかねない。
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※まとめて起訴されるが、朴槿恵の関与を何処まで明確に起訴状に記載するのかが焦点。

尤も崔順実らは本日起訴され、その際に中間捜査結果が公表される、との事だ。そこで朴槿恵の関与が何処まで明確に起訴状に記載されるのか?それを見極めて与野党共に対応するのであろう。それが今後の鍵を握ることになりそうだ。
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※自身の保身には余念がないらしい。姑息だ。