菅直人並み、の朴槿恵の辞意表明

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※何をやっても叩かれる。
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朴槿恵の支持率の推移。

韓国の諺に「水に落ちた犬は叩け」と言うのがあると聞く。相手の弱味、弱点にはとことん付け込め、と言う意味なのだろうが、3度目の国民向け談話を発表し、ついに退陣を口にした朴槿恵に対しての反応は、与党からは

「退陣要求に対する答えを出してくれた。」

と評価する声がある一方で野党からは

「弾劾回避の為の策略」

と非難して諺を地で行くが如くの弾劾手続き推進、の方針を打ち出している。
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※評価は二分である。

…日頃朴槿恵には批判的な韓国でも左派のハンギョレは社説で朴槿恵の辞意表明を以下の様に酷評している。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161130-00025815-hankyoreh-kr

…社説は

《自分の責任を巧みに回避してボールを政界に渡してしまった。表向きは「何もかも手放した」かのように超然としたふりをしたが、実際には大統領の座をつかんで離さないための執着と意地がひしひしと伝わってくる。辞任問題は、朴大統領自身が決断すれば済む問題だ。》

と断じている。これを一見してそれなりに説得力を感じてしまうのは日本でも似たような悪例があるからであろう。
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※日本にもこういう悪例があった。

…思い起こせば5年前、当時首相だった菅直人に対する不満不信は頂点に達し、国会でも内閣不信任決議案が取り沙汰され、当時与党だった民主党からもこれに同調する動きが出た。内閣不信任決議案可決が現実味を帯びる中、菅直人

「震災対応に一定のメドが立ったら」

と退陣を仄めかし、造反気配だった与党議員の大半を翻意させ、内閣不信任決議案を否決に持ち込んだ。しかしその後、民主党幹部からは

「(菅直人の言葉には)退陣や辞任という言葉は使っていない」

と早期辞任を否定する発言や、菅直人本人からも

原発事故が第2ステージに入った(東電の工程表では最短でも2012年1月だった)

を視野にした発言があったり、2011年12月または2012年1月まで国会を会期延長することで通年国会にするといった言及まであり、一事不再議の原則から「内閣不信任案を2011年12月または2012年1月まで採決できないようにする」延命工作が浮上したり、と言った事があったのは読者様もご記憶であろう。ケースとしては似ており、朴槿恵がこれに倣ったのかどうかはさておき、菅直人の「辞任を仄めかして延命工作」と言う実例があった以上、朴槿恵の辞意表明にも「そういう疑い」を抱いても何ら不思議はない。
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朴槿恵の3回目の談話」全文はリンクを御参照頂きたいが、

《私は大統領の任期短縮を含む進退問題を国会の決定に委ねます。与野党が議論し国政の混乱と空白を最小限にとどめ安定した政権移譲ができる方策を整えていただければ、その日程と法手続きに従い大統領職から退きます。》

と、「国会の決議による退陣ロードの作成」が朴槿恵辞任の条件である。ところが記事を読む限り、「挙国中立内閣の構成後に大統領の辞任」や、「大統領の任期短縮のためのワンポイント改憲」など、様々な案が提示された様だが、どの道「朴槿恵をクビにしたその後の大統領選挙」が行われる事に変わりはない。そこまで見据えれば、野党とて「朴槿恵を辞任させる」までは一致出来ても「その後」はそう簡単に足並みを揃えられる問題ではなくなる。日本にも誰とは言わないが「まずは安倍首相退陣」を統一目標にして「野党共闘」を呼び掛けている阿呆がいるが、「一万歩譲って」それが実現したらどうなるか?これから韓国の野党がそのモデルケースを見せてくれるであろう。朴槿恵が意図している通りかどうかとは無関係に国政の混乱を招くだけとしか思えない。
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※本当に後97回謝罪するのか?

それ以前に朴槿恵は2回目の国民向け談話で

「検察の捜査に誠実に臨む」

と言いながら検察が朴槿恵を「共犯」として崔順実らを起訴した事を口実に捜査協力を拒否した。通常の思考回路であれば韓国人でなくても納得する人はいるまい。そういう「大統領による公式発言での嘘」を目の当たりにして一体誰がその言葉を信じると言うのだろうか?そもそも今此処で朴槿恵が辞任しても「セヌリ党の有力な次期大統領候補」の名前が挙がらない以上、此処で朴槿恵に辞任されて困るのはセヌリ党である。大統領選挙で与党が候補を立てられずに「不戦敗」なんて「あり得ない事態」が現実になりかねないのだから。
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※どうせロクな事は話すまい。

故に朴槿恵の発言を額面通りに受け取る事は出来まい。朴槿恵に現在必要なのは「時間」であろう。出来る限りの証拠をこの「稼いだ時間」で隠滅する魂胆、と言うのも考えられる。また、自身の意を汲んでくれるであろう「後継者」を探す必要性からこの様な挙に出たのかも知れない。

いずれにしても菅直人同然の対応の朴槿恵の言葉など信用に値せず、自身の為になる狙いがあるものと思われる。国会がどうこれを看破して対応するのか?見物であろう。
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※こういう対応が疑念を持たれるのである。菅直人同様の醜悪さだ。