どうなる？朴槿恵弾劾決議案？
本日午後3時より韓国国会で朴槿恵の弾劾決議案が採決される。韓国にとっては「運命の日」であると言えるだろう。
韓国での大統領弾劾決議案を可決するには全議員の3分の2以上の賛成が必要だ。現在の韓国の国会で朴槿恵の与党セヌリ党が占める議席は128。野党の全議席を足しても弾劾可決には足りないので当然ながら「与党から28人以上の造反」が可決の条件になる。造反するであろうセヌリ党議員は35人はいると見られ、その通りであれば本日の夕方には
「朴槿恵弾劾決議案可決」
と言う号外がネットで配信される事になる。
…とは言え、セヌリ党造反予備軍が求めていた「朴槿恵弾劾決議案からの『セウォル号事件関連』の理由の削除」は野党に拒否された。そういう微妙な不一致や、当然ながら既に行われているセヌリ党主流派による造反予備軍の切り崩しなど、不確定要素が多く、本当に可決されるかどうかは蓋を開けてみないと判らない。尤も7日にセウォル号沈没事故当日、朴槿恵は「空白の7時間」の内、90分は美容師を呼び出してヘアメイクをしていた疑惑が持ち上がった。弾劾の瀬戸際に持ち上がったこの疑惑が決議案の成否に与える影響は無視できないだろう。
決議案が可決された場合、決議書が大統領府に届けられる。大統領府がそれを受け取った瞬間に朴槿恵の「大統領としての」権限は全て停止され、大統領権限は首相が代行する事になる。朴槿恵自身は最大180日後に結論が出る憲法裁判所の判断待ち。憲法裁判所の9人の裁判官の内6人以上の賛成があれば朴槿恵は大統領の座から解任される事になる。
仮に弾劾決議案が否決された場合、野党側は「全議員が辞職」すると言う。これには意味があり、韓国の国会は規定上100人以上の欠員が出た場合、「自動的に解散」してしまうのだそうだ。当然そうなれば朴槿恵の断罪そっちのけで総選挙だが、最新の世論調査では朴槿恵の弾劾に賛成する意見は78.2%に達する。選挙になれば
「国民の総意を無視して朴槿恵の弾劾を妨害したセヌリ党」
等と野党に攻撃されれば、只でさえ分裂寸前の危機的状況のセヌリ党はとてもじゃないが対抗すらままならない状況で選挙に臨まざるを得なくなる。勿論セヌリ党の壊滅的大敗北はほぼ確実であろう。
どちらにしても韓国の国政の更なる停滞と混乱は間違いないが、全ての原因は大統領を辞任しない朴槿恵にあるとも言えるが、決議案の成否はどうなるか？まずは注目である。
