文在寅外交は朴槿恵の二の舞になるか?

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韓国の新大統領として当選即就任、そして執政開始、と忙しい文在寅だが、就任式での演説では朝鮮半島の安保危機について

「早急に解決する。朝鮮半島の平和のために東奔西走する」

と、断言した。…単なる「大見得」で終わらなければ良いのだが…

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韓国にとっても北朝鮮の核問題は他人事ではない、と言う自覚はあるのだろう。それ故

「必要なら直ちにワシントンに飛んでいく。北京、東京にも行き、条件が整えば平壌にも行く」

と言う発言になったのだろう。北朝鮮問題への対応は

「米韓同盟を『一層強化する』」

と言うのが基本路線の様だ。そうなるとTHAAD配備問題で当然「配備」と言う回答しか有り得ない。しかし、文在寅選挙戦前には「次の政権で協議すべきだ」などと威勢よく語っていたが、投票が近づくにつれ、次第に「米韓同盟の重要性」に言及する様になり、必然的にTHAAD問題についても歯切れが悪くなった。韓国の都合だけを言うなら「配備は当然」であろう。だが、THAAD配備に反対する左派の支持を得るために「配備の必要性」を理解していながら賛成を明言しなかったのであればルーピーと同じ過ちを犯す可能性もある。仮に選挙戦前から大統領就任までの過程でTHAAD配備の必要性やその意味を理解したのであれば、自身の支持層を納得させる説明をどうするのだろうか?問題の種は尽きない。

とは言え、国際社会からは「従北」と見なされているのを自覚しているのか、アメリカとは早速電話会談、また首相候補「知日派」とされる人物を指名するなど、今更意味があるのかどうかはさておき、「日米韓」の連携を意識した、とも受け取れる行動も「今の所は」見受けられる。

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それでも本人の内心は支那北朝鮮の方を向いているのだろうが、日米を意識した言動も同時並行させる事で「バランサー」を志向しているのかも知れない。だが、それでは朴槿恵の二の舞に終わる可能性が極めて高いだろう。そもそも外交交渉における「バランサー」はその関係国と国力が拮抗、若しくは凌駕していて初めて成り立つのではないのだろうか?北朝鮮問題における直接の関係国の中で韓国の国力がどれ程のものか、それを考えればその答えは自明の事であろう。

文在寅は日本に対しては「ツートラック外交」とやらを主張している。早口に言ってしまえば

「歴史問題と経済・安保は別」

と言う事だ。実際韓国政界屈指の知日派首相候補に指名したものの、所謂慰安婦問題における「日韓合意」の見直しは文在寅の公約である。流石に北朝鮮情勢が収束しないままそれを持ち出す程阿呆ではないと思いたいが、北朝鮮情勢が落ち着けば持ち出して来るのは必至だ。日本政府が

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と、機先を制して釘を刺しておいたのは「当然かつ賢明な判断」だと言えるがその効果には疑問符が付くであろう。また、多少日本寄りの言動があったからと言って信用するのは「禁物」である。何だかんだ言っても「反日」と言う実態は既に明らかだ。どの道、「信用に値しない」と言う事は間違いない。

官邸サイドも「様子見」なのは間違いない。早期の電話会談を模索する、と言うのも安倍首相が直接話して判断するのが一番「手っ取り早く確実」と言う判断があるからなのだろう。安倍首相が文在寅に手玉に取られる、と言うのは想定し難いが、日韓合意見直しやスワップ交渉再開、なんてやらかせば安倍首相へのダメージは森友学園問題のそれを明らかに上回る。とてもじゃないが「憲法改正」どころではなくなるだろう。決して妥協は出来ない。

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