まとまらない民進党
民進党、やはり何も変わる事は出来ないらしい。
蓮舫が代表を辞任する事によって行われる民進党代表選挙、現在のところ枝野幸男と前原誠司が立候補する様子だ。どちらが代表になろうが、どういう政策を打ち出そうが民進党の体質が劇的に変わる事などまず考えられず、「解党的出直し」など期待するだけ野暮だ。それならいっその事、本当に解党して保守系を志向する者、リベラルを志向する者に分かれてそれぞれ新党を結成した方がよっぽど建設的だが、そうなった時、選挙で勝てるだけの力量を持った議員がどれだけいるのか?と言う話になると、その大半が生き残る事は難しくなるだろう。既に「民進党」と言う看板でさえ、まともに機能するかどうか怪しい状況下ではあるが、民進党の存在それ自体に「選挙互助会」と言う性質がある以上、腐りかけでも何でも「議員になる」為には「その看板」にしがみ付く他ない。だから「反自民」と言う点でしか繋がれない「保守とリベラルが同居する」異様な政党のままで、「まともな統一見解」を打ち出す事が困難なのである。
「国会議員、公認候補予定者、地方議員、党員、サポーターも含めた選挙」
もう一つは
「両院議員総会で選出」
である。2日の党両院議員総会で野田佳彦は21日告示、9月1日投開票の日程案を提示した。随分と悠長な日程だが、これは党員・サポーター投票の準備に時間を要するからだ。勿論この日程案に異論が噴出し、「まとまらない民進党」を改めて露呈しただけだったが…
「来週中に告示して新代表を決め、お盆前に新執行部の骨格を決めてほしい」(寺田学)
と言った具合だ。
その背景には「安倍首相が早期に衆議院解散に打って出る」と言う展開を睨んでいるからだ。
理由はどうあれ、民進党代表選挙の最中に衆議院解散、となれば民進党はトップ不在、または新代表が居たとしてもその足元が固まらない内に選挙戦を戦わざるを得なくなる。現在の状況下で衆議院を解散する意味が何処まであるのか?と言う疑問がない訳でもないが、民進党の事だけを言えば
「民進党は政権批判の受け皿にはなれない」
「国民は『悪夢の民主党政権』の不始末を忘れてはいない」
「長々とグダグダもめている」
姿は最早「御約束」でしかなく、国民はとうの昔に見慣れている。今更隠しだてする程の事でもないだろう。
※民進党代表が誰であろうが、この点に変わりはない。
代表選出馬を模索する玉木雄一郎は
「わが党の支持率が上がらない要因の一つは、旧民主党時代の面影がいつまでたっても消えないことだ」
「民進党ブーメラン」
を披露した当人の一人だ。玉木雄一郎自身も自分が言う「旧民主党時代の面影」そのものでしかない。また、旧似非維新を中心としたメンバーからは「第3の候補」を擁立する動きが出ている模様だ。枝野幸男にしろ、前原誠司にしろ、「民主党時代からの常連幹部」である事に変わりはなく、それ以外の選択肢、と言う事は
「民主党カラーの忌避」
に他ならないが、「民主党カラー云々」以前に現在の民進党を取り巻く状況下で「失った国民の信頼」を取り戻し「政権批判の受け皿」となり、「党内を纏め切れる」カリスマのある議員が居るとでも言うのだろうか?それだけの器量のある議員がこの期に及んで民進党に残っている筈もないし、それだけの力量を周囲から認められているのであれば昨年の代表選の時点で蓮舫なんぞを押し退けてとっくに代表の座に居た筈だ。勿論それだけの「人物」が代表であれば都議選はもう少しまともな結果だったろうし、現在代表選など行う必要もなかったのだが…
「民進党は何も変わらない」
事を暗示した総会だった、とも言える。いずれにせよこの代表選、「保守系VSリベラル系」となる公算が高いだけに
「負けた方が不満分子」
と化す可能性は高いだろう。「新代表の下で結束」するより「新代表の下で分裂」しそうな要素を孕んだ代表選になりそうだ。その「結末」だけは「一見の価値」があるかもしれない。
※最後まで「ダメダメ」コンビだった。