名護市長選挙、終わって…
※明暗ハッキリ。
「国政選挙並みの総力戦」
などと言う形容もされたが、実際は
この写真の稲嶺陣営の後援会事務所として建てられたこの建物、建築基準法が定める手続きを経ないまま無許可で使用されていた違法建築物だった。相変わらずの法令無視の「形振り構わず」の選挙戦を現職サイドから仕掛ける形で始まった選挙戦だった。だが、それどころではない。
事前運動、定数を遥かに越える街宣車の使用、相手陣営への妨害行為、個別訪問、役所内での特定候補への投票働き掛け、敷地の不正使用など例を挙げればキリが無いほどの違法行為を仕出かした挙げ句、選挙戦に敗北したのだから自称「オール沖縄」にとっては屈辱は倍増であろう。…良い気味だ。
民主主義を前提にした選挙結果である以上、これを「民意」と言うよりない筈だが、明らかに「稲嶺支持」に偏向している沖縄2紙がこの結果を「どう報じたのか?」と言う点が「渡具知武豊氏当選」後の個人的な焦点だったのだが、沖縄タイムスではこの様に報じている。
「地元の民意」
「選挙結果にかかわらず辺野古反対の姿勢は変えない」
と強調していたが、最早「風前の灯」に等しい死に体同然であろう。秋には知事選も予定されているがそこで翁長雄志に引導を渡す必要があるのは論を待たない。
と、なるのは必然だが「地元が示した民意」を前提にするなら有効な対抗策など最早ないに等しい。翁長雄志は昨年、辺野古基地用の石材搬出を目的とした国頭村奥港の使用許可を出した様に「徐々に追い詰められている」のが現状ではあるまいか?最後の手段として
「即座に知事を辞職して出直し選挙で信を問う」
と言うのはあるが、現状ではリスクが大きくて実行は難しいだろう。渡具知武豊氏が勝った、と言うのはそれほどに「大きな意味を持つ」のである。
この選挙、最大の争点は
「辺野古移設の是非」
だったと言われるが、当然名護市民の生活に関わるテーマも重要な争点であった。
稲嶺市政で増大した借金、半年以上放置されているゴミ問題…基地移設反対運動に熱は上げてもこういう市民生活に直結する問題をおざなりにしてきた稲嶺進の「自業自得」であるとも言える。渡具知武豊新市長にはこれらの問題の地道な解決を名護市民ではないものの、期待したい所だ。それらの積み重ねが「市民からの信頼」に繋がるのだから。
一方敗北した稲嶺支持の沖縄タイムスは基地移設問題について
《国は沖縄関係予算を大幅に削減する一方、辺野古の工事を着々と進め市民の「あきらめムード」を醸成してきた》
と、パンダの飼育を呼び掛けていたが、幾らパンダに人気があるからと言ってもそのコストは年間数億円かかる。初期費用だけで5億円だそうだ。観光の目玉にする狙いがあったのだろうが、名護市民にアンケートを取ったところ結果は
※市民の感覚と決定的にズレていた稲嶺進の政策。
と、圧倒的反対多数だった。この様アンケートで「市長に期待する政策」を尋ねた所、「子供医療費・保育料の無償化」が最も多く、「学校給食の無償化」「高齢者介護施設の整備拡充」が続いた。また「ゴミ分別の簡素化及びゴミ袋代金の半額」など
「生活に直結する政策」
が重視されていた事が判る。そういう市民の声は稲嶺進には届いていなかったのだろう。基地移設云々よりそれが最大の敗因ではないのだろうか?
※その結果稲嶺進は敗北したのだが。
現実的な政策を訴えた渡具知武豊氏に対し、稲嶺進の主張は理想にも及ばぬ「夢想」でしかなかった、と言う事であり、それを名護市民はキチンと見抜いていた、と言う事であろう。この期に及んで普天間基地の移設の意味を理解しない時点でそれは明白だが、それでも自称「オール沖縄」に憐れみを以て助言するなら「法律は守る事」「主張する前に『理想と夢想』の違いを理解する事」をお勧めしたい。
この様に若い世代程それを理解している。あと20年もすれば自称「オール沖縄」のバカ共も勢いを完全に無くすだろうがそんな悠長な事は言ってられない。これからの世代に自称「オール沖縄」の様な無法出鱈目ではなく、「日本人としての矜持」を正しく伝える必要があるのである。この選挙結果がそのきっかけになる事を望む。