漂流国民民主党


※議員バッジにしがみつくのにも限度がある。

「憲政史上最も期待されない新党」

とも言える国民民主党、そもそもが「民進党の看板では総選挙を戦えない」と小池百合子に乗っかり、庇を借りて母屋を乗っ取った背信集団が立憲民主党を除いた残骸に再合流した「だけ」なのだから当然と言えば当然の結果であろう。…とは言え、政党組織と言うのは国会議員だけではない。全国の地方議会議員も当然含まれるのだが、国民民主党の場合、民進党の組織を引き継いだ形になっている…筈だった。ところが既にその地方議員は半減し、国民民主党は「お先真っ暗」の一途を辿っている。

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※国民民主党の支持率は目を覆うばかり…自業自得だが。

昨日も取り上げたNHK世論調査。それによると国民民主党の支持率は最新の調査で0.7%。発足直後は1.1%だった。誤差の範囲内、と言う解釈も可能だが、国民民主党の党勢拡大の努力は何ら報われていない、とも受け取れる。それどころか実際には「所属地方議員が半減」と、党勢は悪化している。

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※地方議員だって同様だ。

原因は同じ「元民進」の立憲民主党の存在だ。支持率は同じ調査で7.5%と、自民党の支持率38.1%に比べれば「目糞鼻糞」だが、「立憲民主党と国民民主党」で比べれば低レベルでの争いとは言え、実に10倍もの支持率の差がある。地方議員だって「選挙に落ちれば一般人」なのだから、自分の事を考えるのであれば考えの近い勝ち馬に乗ろうと考えるのは不思議な事ではない。「民進系」であれば尚更であろう。と、言う訳で国民民主党を離党した地方議員の多くが立憲民主党に鞍替えしている模様なのである。

※国民民主党の現実…

そればかりではない。岡田克也野田佳彦、と言ったかつての民主党政権の重鎮も独自の地方政党や政治団体を計画しており、立憲民主党ではなく、そちらに付いて行こう、と考える地方議員が居ても不思議はなかろう。「民進系」の「本家」とも言える立場の国民民主党だが、既に「地方議員の草狩り場」と化しているのだ。幹部が危機感を持つのは当然だが、後手後手感は否めない。

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※それが国民民主党

地方議員は国政選挙での「集票実働部隊」としても機能すると言う。地方議員の減少は党首の「議員としての立場」も危うくする問題なのである。そういう実情に幹部が危機感を持つのは当然で

政権交代を実現する。この志にもう一度火をつけたい。しっかりとまとまって新しい政治を切り開こうではありませんか!」

玉木雄一郎は16日、岡山市で開かれた党岡山県連の結成大会でこの様に団結を呼びかけたが、「政権交代」とは「手段」にはなっても「目的」には本来なり得ない。民主党政権の失敗から何を学んだのか?全く見えないのでは「反省」も「成長」もない。それでどうやって現状を打破する、と言うのだろうか?「団結する」だけでは問題の解決には繋がらない。「最初の一歩」にしかならないのだが、そこに躓いているのでは

「今後1、2回の国政選挙を経れば、国民民主党の国会議員は10人程度にまで減るのではないか」

と言う立憲民主幹部の言葉が現実になりかねない。
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※果たして国民民主党議員は何人生き残れるのか?

「既に棺桶に片足を突っ込んでいる」に等しい国民民主党だが、存在価値は一つだけある。国民民主党が現状の方針のままであれば国賊野党の一部が構想する「野党大統一」は実現可能性が極めて低くなる、と言う事だ。極端な話、二大政党制に限りなく近付けば自民党も楽観視出来ないだろうが、民進党分裂の痼のせいで立憲民主との関係は良くない。それ故、国民民主党が独自路線で頑張ろうとすればする程、「野党大統一」は遠のき、結果自民党を利する事になる。野党として独自色を出せば与党の援護射撃、他に歩調を合わせると埋没路線まっしぐら…どちらを選んでもロクな事にはならない。そんな野党に誰がした?

…「反自民」で巨大野党を作ろう、と言う発想がそもそもの間違いなのである。それにいつになったら気付くのか?その辺りが野党の政治家の限界なのである。