北方領土問題を「2島返還」で決着させるのか?

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※その真意は?

週明け早々、「とんでもない」ニュースである。
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北方領土問題に関し、

「日ソ共同宣言に明記された『色丹島歯舞群島』の引き渡しの確約が確認出来れば日露平和条約の締結を検討」

している、と言うのだ。

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北方領土を巡る国境の変遷。

歴史的経緯を見れば明らかな様に北方四島がロシアの支配下にあった事実はない。しかもロシアによる占拠は国際法違反の不当なものだ。記事が事実なら、

択捉島国後島の放棄」

に繋がりかねない「危険な発想」と言える。フェイクニュースか「飛ばし」記事だと願いたいものだが、幾ら安倍首相でも「2島先行返還」ならともかく、「2島返還で決着」なら明確に反対だと断言する。

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※面積にして北方領土の7%でしかない。

このままでは何も還ってこない、何も話は進まない、と言うより「2島だけでも還って来るだけマシ」と言う考えもあるかも知れない。だが、仮に「2島返還」だとして面積にして「93対7」。これをプーチンが言う

「引き分け」

と認められるだろうか?

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※過去の交渉の成果を無駄には出来ない。

「2島返還で決着」を前提に日露平和条約を締結したとしても国会での批准で紛糾するのは必至だ。国賊野党が「安倍政権打倒のチャンス」と捉えて「その場限りの愛国心」を前面に追及するのは確実だ。そこで

「2島返還で決着」

を国民が納得できるだけの説明を出来るのか?与党からも反発は出る可能性は極めて高いだけに日露平和条約の締結で安倍首相の求心力が失われるのでは何にもならない。コレだけ長期政権を担って最後に汚名を作ったのでは今までの苦労が水の泡になる。そんな判りきった真似を安倍首相がするだろうか?

プーチンの狙いは「返還を餌に経済協力等の実利を得ること」なのは間違いないだろう。狡猾な相手だけに下手な小細工は通用しない。そんなプーチンを上回る秘策が安倍首相にあるのだろうか?また「2島先行返還」だとしても「択捉島国後島の『領土問題』の協議継続の確約」、「2島+α」ならその「+α」で「択捉島国後島の領有以上のメリット」になるものを引き出せるのか?それらは「最低条件」と言えるが、それを守った上でこの様な対応を検討するのだろうか?

北方領土で下手な妥協をすると竹島はますます遠ざかるし、尖閣諸島の危機は増大する。日本にとって「目下の敵」は支那朝鮮であり、ロシアは「敵に回したくない」相手だが、目先の事に囚われて大局を見失うのでは本末転倒だ。今まで外交で大きな成果を出してきた安倍首相が簡単にプーチンに乗せられるとは考え難いが、相手も相手だけに油断は出来ない。首脳会談でどの様な進展を見せるのか?要注目である。