野球では自国代表に容赦ない韓国メディア

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侍ジャパン、金メダルおめでとうございます。

東京オリンピックの野球は日本代表「侍ジャパン」が決勝でアメリカに勝って悲願の金メダルを獲得。「おめでとうございます」と言う言葉以外思い浮かばない。正式競技ではなかなか金メダルに手が届かず歯痒い思いをしてきた野球ファンは多いだろうが、これでそれまでの鬱憤も一気に吹き飛んだ事であろう。誰の目から見ても「実力で勝ち取った金メダル」である事は間違いない。

一方、3位決定戦に臨んだ韓国はドミニカ共和国と対戦。一時はリードを奪う展開だったものの、8回に一気に逆転され、敗北を喫してメダルには手が届かない結果となってしまった。

韓国でも野球は「金メダル獲得が期待出来る競技」であった事は間違いなく、前回野球が行われた北京では金メダル、要するにディフェンディングチャンピオンとして今回臨んでいただけにその落胆ぶりは激しく、「銅メダルでも兵役免除の特典を剥奪せよ」と言う無茶苦茶な請願が出されていた程だが、メダル獲得ならず、でその請願も無意味になってしまった。

そんな残念な結果となってしまった韓国代表だが、どういう訳かメディアは辛辣な評論に終始している。同じく準決勝で敗戦し、3位決定戦に回る事になった女子バレーボールとは偉い違いだったりするのだが…

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https://news.yahoo.co.jp/articles/f636ac368457e32bf92c48f9e11674bfbbd7f3fa

韓国メディア「MKスポーツ」は

「むしろこれで良かった。最初からもう一度やり直すという気持ちで再出発すればいい」

「現実を直視することができた大会だった」

と、相当辛辣に評している。しかも今大会の投手陣については

「辛うじて5回を投げるレベル」

打線についても

「国際規格のストライクゾーンに全く対処が出来なかった」

そして

「私たちの水準がまさにその程度であることを痛切に感じることができた」

「1、2人のせいではない。全体的なリーグの水準が下がっており、『井の中の蛙』にとどまっていることを今回の大会を通じて学ぶことができた」

と、「そこまで言うか?」と言うレベルで容赦なく自国の代表を批判している。

準決勝に残ったチームを見ると、日本は地元開催でしかもプロの精鋭が揃ったチームなのは当然だが、アメリカはメジャーのスター選手は皆無だったが、基本的には現在マイナーにいるものの、メジャーに居てもおかしくないレベルの実力の持ち主や日本で活躍している選手、主砲は現在横浜で活躍中のオースティンで、同時にヤクルトのマクガフ、ソフトバンクのマルティネス等の「日本の打者をよく知っている」投手も選ばれていた。また、ドミニカ共和国も3位決定戦で先発したのは元中日のバルデス、勝利投手は元巨人のメルセデス、そして決勝点を上げたのもこれまた元巨人のフランシスコと、日本でプレー経験のある選手が勝利の鍵を握っていた形になった。韓国は?と言うと元阪神の呉昇桓はいたものの、この試合での敗戦投手は彼となり、その彼が韓国代表で唯一の日本球界経験者だった。つまり「金メダルの日本は(当然だが)全員日本球界経験中」、「銀メダルのアメリカは日本球界で現役の選手を複数選出」「銅メダルのドミニカ共和国は日本球界経験者を複数選出」そして韓国は「日本球界経験者が1名」だった。こう見ると日本でのオリンピックなだけに「日本球界経験者の数」が明暗を分けた様にも見えなくもない。これは果たして偶然なのだろうか?

そうでなくても韓国球界としては「内向きになり過ぎていた」事が今回の結果に繋がったのだろう。「井の中の蛙」とは言い得て妙であるが、韓国球界に必要なのは「もう少し外に目を向ける」事なのではないだろうか?確かに韓国代表にはメジャー経験がある選手もいたが、いずれも目立った成績は残せなかったと言う。メジャーリーガーが参加出来ないのはアメリカ含めどの国も条件は同じだ。日本のプロ野球はそのメジャー比べても遜色ないレベルに到達しており、国内選手だけで十分過ぎるチームが作れてしまうが、韓国が自国のプロ野球を「アメリカはおろか日本にも及ばない」と言うなら悔しくても「日本から学ぶ」のも一つの手段であろう。…現在韓国のトップクラスの選手が日本の球団に移籍したとしてレギュラー確保、主軸として活躍出来るかどうかは保証の限りではないが。

また、韓国にとっては耳の痛い話になるが、今回のオリンピックでは「不参加の強豪国」も多数あった。例えばキューバベネズエラ、台湾などだが、そういう国も参加していたら、参加国が6ではなくもっと規模が大きかったら韓国はどの立ち位置になっていただろうか?韓国球界の課題は思っている以上であろう。敗者を批判する事は簡単だが、自国の代表に対する韓国メディアや国民の反応を見るとそこから生まれる物は余り無さそうだ。メディアはこういう時こそ感情的ではなく冷静に考察すべきなのである。