文在寅は閣僚人事を強行するのか?


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※これが虚偽なら大問題。文在寅どう判断する?


現在韓国で「対日関係」以外で「最も騒がれているスキャンダル」、それは法相候補に関わる数々の疑惑である。それに関して韓国検察は「掟破り」とも言える非常手段で対応した。この国の「法治」とは一体何なのだろうか?


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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190907-00000002-cnippou-kr

 

文在寅の側近で「後継者最有力候補」とも言われる曺国(チョ・グク)なる人物。文在寅政権の初代民情首席秘書官を務め、文在寅の言う「積弊清算」の先頭に立ち、李明博朴槿恵という保守政権の「不正の追及」を進めてきた人物だ。そんな人物に「不正疑惑」が出て、しかも「法相候補」だと言うのだからブラックジョークだとしか思えない。


曺国に関わる疑惑として

 

・74億ウォンの投資約定を締結した私募ファンド(PEF)疑惑
・曺国の母親が理事長を務めている熊東学園の債権・債務疑惑、
・曺国の娘の不正入試疑惑

 

が取り沙汰されていると言う。ここで触れるのは最後の「娘の不正入試疑惑」だが、これは曺国の娘が大学院入試を受験する際、履歴書に記されていた「大学から受けた賞」が同じ大学の教授である母親、つまり曺国の妻による偽造であった可能性がある、と言うのだ。


検察の聴取に対し、大学の総長は


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※ならば賞は誰が出したのか?


と、証言。更に


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※これが事実なら真っ黒。


と、明らかな「口裏合わせ」依頼され、総長は「断った」のだと言う。総長の証言を前提にするならば、曺国の娘に「総長が出していない総長賞」を出せる人物として真っ先に思い浮かぶのは同じ大学の教授その母親であろう。この件で例え曺国本人が「無関係」だとしても「身内の不祥事」として法的には兎も角、道義的責任は免れないだろう。また、国会での聴聞会でも野党議員の質問に


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※言質を取られた事が後で響くか?


この様に答えていた曺国だが、その後の展開次第ではこの答弁がボディーブローの様に後から効いてくる、と言う事も有り得る。裁判の結果、曺国の妻の「有罪」が確定した場合、その時点でこの者がどういうポストに居るかは予測出来ないが、どういうポストであれ、政治的ダメージは避けられなくなる。先を見通す事の出来る政治家ならここは「目先の閣僚ポスト」より「一歩退いて」捲土重来を期す方が得策だと判断するのだろうが、ポスト就任に意欲を見せる本人も、またそれでも任命を強行しようと言う文在寅も「器の程が知れる」と言えるだろう。


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※飼い犬に手を噛まれた文在寅


とは言え、韓国検察は本人への聴取行う事なく起訴に踏み切った。通常では考えられない事だが、曺国の妻に対する容疑である「私文書偽造」罪は問題の文書が作成された日を基準に考えると「6日が公訴時効当日」だったのだと言う。後数時間対応が遅ければ例え疑惑が「クロ」でも「時効で逃げ切り」だった訳で、そうさせない為の「非常手段」だったのだとも言える。


だが、この件では「曺国自身の関与」を立証出来なければ本人には法的な責任を問う事は出来ない。勿論そんな「証拠」も「疑う材料」もないのが現状であろう。それでも半ば強引に起訴したのは「文在寅政権への検察による当て付け」と言う側面もあるのではないか?とも思える節がある。


曺国絡みの疑惑については、検察も捜査を行っている様だが、曺国は「ポスト文在寅」の最有力候補、と言われる存在なだけに政権としてもこの件の「一刻も早い幕引き」を謀っている。それに対し検事総長から

 

「捜査に介入するな」


と言う声明が出された。この検事総長は「文在寅が抜擢した」人物だと言うから文在寅としては「飼い犬に手を噛まれた」形になるが、そもそも文在寅は「クリーンな政治」を掲げて大統領に当選したにも関わらず「疑惑だらけの『玉ねぎ男』」と揶揄される様な人物を事もあろうに「法相候補」とし、挙げ句の果てには


「他者の不正追及は厳しいが身内の不祥事には大甘対応」


と言う壮大な「ダブルスタンダード」を披露してくれた訳だ。そういう意味では


「検察の意趣返し」


と、解釈する事も不可能ではないだろう。


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※さて、どうする?


韓国の閣僚人事は「国会の同意を必要としない」ので、聴聞会の有無や内容に関わらず任命自体は可能だと言う。文在寅は任命を強行するつもり、と言われているが、任命した後でこの件や他の疑惑で「本人がクロ」だと判明した場合、曺国本人も文在寅も甚大なダメージを負う事になる。その場合、文在寅政権は良くてレームダック、最悪文在寅の「弾劾」か「辞任」と言う展開まで有り得る。また、曺国本人も疑惑が「一つでもクロ」の場合、閣僚辞任や「次期大統領の目が消える」どころか「政治生命の終わり」となる可能性もある。それだけ曺国を閣僚に任命する事は「リスキー」だと言える。そこまでの度胸が文在寅にあるのか?また、曺国もここでイメージを悪化させてその先があるのか?その判断には「要注目」である。