曺国辞任の衝撃

※最初から法相になどなるべきではなかった。
 
韓国法相の曺国が突如辞任を表明した。
 
理由は言うまでもなく曺国の家族を巡る数々の疑惑、そしてそれらに対する検察の捜査がその原因である事は言うまでもなかろう。
 
曺国は
 
「私の家族のことで大統領と政府に負担をかけてはならないと判断した」
 
と、辞任決断した理由を説明。とは言え、その疑惑は曺国が法相に任命される以前から騒がれていた事である。疑惑が出た時点で法相就任を辞退していればダメージは最小限で済んだ筈なのだが、曺国は「文在寅の意向を無視できなかった」のか?それとも「ポスト文在寅」を狙って賭けに出て失敗したか?または「法相に就任する事で一連の疑惑への捜査を封じ込められる」と踏んでいたのか?いずれにしても曺国からすれば「行くも地獄、引くも地獄」だった事に変わりはなく、目論見を外して1ヶ月での辞任劇、となったのは本人の政治生命にとっては「致命的」とも言える汚点となった。
 
だが、この一件、曺国だけに責任がある訳ではない。多数の疑惑の存在を知りつつ、そして世間の強い反発を無視する形で任命を強行したのは大統領の文在寅だ。従って誰もが
 
 
を即座に連想された事だろうし、韓国国会で野党が真っ先に追及するのは目に見えている。だが、それでも文在寅
 
「任命は無駄ではなかった」
 
などと自身の判断を正当化する発言をしている模様なのだ。
 
 
※棺桶に片足が入ったか?
 
韓国の世論調査会社、リアルメーターの調査によると文在寅の支持率は「41.4%」と、就任後最低記録を叩き出した模様だ。逆に不支持率は「56.1%」と、こちらは就任後最高記録を更新した。どうやら「曺国法相」への反発がボディーブローの様に効いてきた模様だ。一方その曺国については
 
※世間の声に屈したか?
 
と、過半数が「辞任すべき」と、回答している。今のうちに身を引いておけば再起のチャンスもある、とでも踏んでいるのだろうが、一連の疑惑について例え1件でも「本人の関与が明らかになる」とか「家族の有罪判決が確定する」と言った事態にでもなれば曺国は確実にそこで「リタイア」する。
 
※ツケは自分で払え。
 
文在寅曺国こだわった「理由」と言うのは
 
「自身の後釜に考えていた」
「検察改革を完遂させたかった」
 
と言うのが考えられる。前者の目はこれで「ほぼ可能性は無くなった」と言えるだろうが、後者については短い在任期間内で検察の実務改革案を発表したことに触れ、
 
「もはや検察改革は逆行できない歴史的課題になった。どの政府もできなかったことだ」
 
等と、自画自賛していたが、その実態は
 
「検察権力の縮小によって退任後の文在寅が追及を逃れる」
 
事にある。御存知の通り韓国大統領は退任後、悉くロクな事になっていない。文在寅は「そうならない」為に「検察改革」拘っているのだ。
 
韓国では来年総選挙がある。それまでに検察改革を成し遂げ、実績としてアピールする算段だったのだろうが、曺国の辞任でそれが難しくなったと言える。誰を後任に任命したところで混乱は必至で、改革どころではなくなる。改革最優先で強行しても総選挙に間に合わなければ意味は半減する。勿論、このまま総選挙に負ければ文在寅の残り任期は「レームダック」となるのは必然だ。曺国の辞任の衝撃は思っている以上に大きい。
 
文在寅にとっては「最悪」に近い状況となっている。それもこれも
 
「自分が100%正しい」
 
と、現実を省みないからだ。これからどう対応するのか?それも問われる事になる。