盗人猛々しい北朝鮮の金正恩名義の謝罪文

※絶対に何か裏がある。
 
北朝鮮による韓国人射殺、遺体焼却事件が意外な展開を見せた。北朝鮮が事実を認め、韓国に対して「金正恩が謝罪」する文書を通知してきたのだ。これまでの北朝鮮からすれば考え難い対応である。一体何があったのだろうか?
 
 
警備を担当する北朝鮮の軍部隊が22日、男性発見の一報を受けて出動、80メートルまで接近して身元の確認を求めたが、明確な答えが得られず空砲を撃ったところ、驚いた男性が逃げるそぶりを見せたため行動準則に従って射撃したという。その後現場に接近したが男性が乗っていた浮遊物に大量の血痕を確認したものの男性は見当たらず、浮遊物だけを防疫規則に従って燃やした〉
 
北南間の信頼と尊重の関係が崩れないよう、必要な安全対策を講じる〉
 
文在寅大統領と南の同胞たちを大きく失望させたことに対し、非常に申し訳なく思う〉
 
等と書かれていたのだと言うが、この時点で韓国政府の説明との矛盾があり、また、ツッコミ所も発生している。
 
※事件の概況。
 
韓国によればこの射殺され、遺体を焼却された男性は「北朝鮮へ渡りたい」意思があり、海上で自身が乗っていた船を放棄して救命胴衣を付けて北朝鮮側へ泳いで行ったと言う。事故等の類ではなく、「自らの意思で」北朝鮮へ渡った訳だ。で、あれば北朝鮮側に発見されればその意思を明確に伝える、と考えるのが自然であろう。勿論救命胴衣一つで泳いで行ったのであればこの時点で体力を消耗し、疲労困憊してまともな応答が出来ない、と言う事も考えられるが、そうであれば威嚇射撃をされても逃げ出す事もままならない訳で、北朝鮮の説明は韓国側のこれまでの発表と整合しない。
 
また、撃った弾が男性に命中した事は認めても「その所有物だけを焼却した」として男性の遺体を焼却したとは認めていない。そして、この男性が死亡した事に対して「追悼」の意思を一切見せていない。韓国側のこの件に関する怒りのポイントは「北朝鮮へ渡った男性、それも非武装の民間人を射殺」「その上その遺体を焼却」した事なのだが、如何に金正恩名義の謝罪文とは言え、その肝心な点を見事なまでに回避している。違和感が生じるのは当然の事であろう。
 
※そういう事だ。
 
北朝鮮の流儀で言えば「金正恩が謝罪」と言うのは異例中の異例、それが「最大級の誠意」となる。その最大のカードを切る事で第一に韓国の、そしてこの事件を報じる国際社会の批判を回避する事が最大の目的である事は疑いの余地はない。北朝鮮でなくても自国領に不意に入ってきた人間を警戒する事は当然である。事件をあくまで「その範疇で起きた事」とする狙いがあるのだろう。また、北朝鮮では絶対者である金正恩名義とする事で事態を沈静化させる狙いがあるのも明白だが、その手は既に通用しない事は証明済みだ。だが北朝鮮はそれを理解していない。拉致問題金正日は訪朝した小泉純一郎に謝罪して問題の幕引きを謀ったが、勿論それだけで済む筈がない。拉致問題は「被害者全員即時無条件での帰還」があって「初めて解決」なのだが、北朝鮮はその意味を理解していない。今回も同じ手口を用いただけだ。日本はそんな手には乗らなかったが、韓国はどうするのか?こんな文書一つで文在寅が矛を収める様では北朝鮮を「却って図に乗せる」結果にしかならないが、奴はそんな事も判らない外交音痴なのか?それとも単なるヘタレなのか?どちらにせよ、この文書一つで韓国が強硬対応を転換するのではそういう謗りは免れないし、世界に恥を晒す事になる。そういう意味では北朝鮮の方が事件を発生させた「加害者」であるにも関わらず、既に解決に向けた主導権を握っている事になる。「盗人猛々しい」とはまさにこの事だが、それに気付かない程韓国はマヌケばかりなのだろうか?
 
要するに北朝鮮は敢えて金正恩の名前を出す事で韓国を「試している」のだ。民間人射殺、遺体焼却事件に止まらず、韓国が「支那北朝鮮サイド」に付くのか否か?と言う所までだ。これで文在寅が矛を収めて再び北朝鮮への融和姿勢を維持するならこれ程操り易い相手はそうそう居ない。あらゆる意味で北朝鮮とって最高の「時間稼ぎ」材料となるが、ここで文在寅北朝鮮への融和姿勢を打ち切り、アメリカと同調する道を選ぶのであれば北朝鮮としても最大級の警戒をする事になるだろう。尤も北朝鮮は「文在寅は矛を収める」と読んでこの様な対応をした事は間違いないだろう。そういう意味では北朝鮮の方が文在寅より常に一枚上手である。こうなっては他国に韓国をフォローする事は出来ない。それもこれも文在寅の愚劣さが生んだ結果である。韓国人は阿呆なトップを選んだ代償を払う羽目になった訳だが、それが一人の人命、と言うのでは余りに重すぎる。少なくとも同じ過ちだけは繰り返してはならないし、それは日本にも言える事なのである。トップをキチンと選ぶ事は民主主義において国民の義務同然である。