マレーシアにとって北朝鮮との国交断絶は痛手なのか?

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※「相手を見切った」のではなく「見切られた」のだろう。
 
北朝鮮がマレーシアとの国交断絶を宣言した。理由はマレーシアが在住していた北朝鮮実業家をマネーロンダリングや国連決議違反等の容疑で逮捕し、その身柄をアメリカに引き渡した事だと言う。北朝鮮の反応からこの実業家が北朝鮮の国連制裁逃れのキーマンの一人であった事が窺える。だが、マレーシア政府の反応からは「ここで北朝鮮との関係が断然しても痛手ではない」事も同時に窺えるであろう。
 

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北朝鮮はお約束とも言える「責任転嫁論」でマレーシアを非難しているが、マレーシア政府も北朝鮮を宥めたりする様な事はせずにあっさりと北朝鮮外交官とその家族に「48時間以内の退去命令」を出している。ここで北朝鮮との関係が断然してもマレーシアとしてはそうそう困る事はない、と言う事か。実際両国は金正男暗殺事件以来関係が悪化しており、双方大使不在、マレーシアによると平壌のマレーシア大使館は「運営中断状態」だったと言うからマレーシアからすれば今までも「国交はあってないも同然」だったのだろう。寧ろ北朝鮮の方からそうしてくれてある意味「スッキリした」のではないだろうか?
 
北朝鮮の反応から今回アメリカに身柄を送られた実業家は「それをやられては困る」重要人物だったのだろう。この実業家がアメリカで何を話すのかは不明だが、仮に北朝鮮の国連制裁逃れの手口等の機密事項をアメリカに握られれば死活問題となる可能性まである。この件でマレーシアを幾ら非難しても事態は好転する事はないし、流石にアメリカ国内でこの実業家を口封じする事もほぼ不可能であろう。それだけ北朝鮮がこの件で焦っている事の裏返しだと言える。
 
この件では世界のほぼ全て国がマレーシアを支持するだろう。と、言うか北朝鮮の肩を持つ理由がそもそも存在しないのだが、その理由を探しているであろう韓国はどうするのだろうか?今のところ「事態を静観する」構えの模様だが、こういう時こそマレーシアと北朝鮮の間を取り持って動くべきではないのか?そうしてこそ文在寅の「北朝鮮愛」が本領を発揮するのだが、それすら叶わない程今回の件のこの実業家の犯罪は明白なのだろうか?いずれにしても日本はマレーシアの決定を支持するべきなのは論を待たないが、この一件、アメリカがこの実業家から何を聞き出せるのかが今後の焦点になるだろう。その内容次第では「更なる北朝鮮への制裁強化」と言う声が出るかも知れない。世界の北朝鮮への目を一気に変える可能性まであるだけにその後の展開には注目しておくべきであろう。そういう意味ではこの件はマレーシアと北朝鮮の二国間問題では終わらないと言える。