グリーンピースが福島第一原発処理水海洋放出を批判する愚

 

※少なくとも韓国への影響など「皆無」
 
グリーンピースなる環境保護団体を名乗る偽善者集団がある。そいつらが福島第一原発処理水の海洋放出について
 
「韓国への被害を考慮していない」
 
等と訳の判らぬ主張をして、韓国メディアが嬉々として記事にしている。科学に無知蒙昧な連中が何を言っているんだか?
 

 

 


そもそも東京電力が放出するのは「汚染水」ではなく「処理水」である。その違いも判らないとは流石ハンギョレであると言える。正しい用語も使えない程度のレベルでまともな主張など出来る筈もないのは火を見るより明らかである。
 
トリチウムの概要。
 
原発事故処理水の海洋放出はALPSと言う放射性物質除去装置でも除去しきれないトリチウムを含んでいる。そのトリチウムは早口に言えば「三重水素」。半減期は12.32年でβ崩壊し、ヘリウム3に変化すると言う。
 
放射線にも色々種類がある。
 
「β崩壊」とは放射性物質が分裂する際の様式の一つでその名の通り崩壊時にβ線と言う放射線を出す。放射線と言っても様々な種類があり、それぞれ性質は異なる。β線に関して言えば、正体は電子ビームであり、薄い金属板1枚あれば余裕で遮蔽可能な代物だ。射程もせいぜい数十m。福島第一原発沖から放出して韓国に届く事はまずあり得ない。
 
一般的に恐れられている放射線とはγ線の事だ。原子ビームのα線、電子ビームのβ線と違ってこちらは電磁波。しかも宇宙の彼方で起こる「γ線バースト」が観測される様に射程距離はかなり広い。何せ数万光年先の宇宙の彼方で起こったそれが観測出来てしまうのだから。しかも透過性が高いので遮蔽するのも厄介だ。そういう放射線の違いも判らないならそもそもこの件に口を出してはならない。先述した様にβ線は薄い金属板1枚あれば遮蔽出来る。従ってグリーンピースの連中はβ線被曝が心配なら中世ヨーロッパの騎士が着ていた様な鎧を四六時中着用していてはどうか?少なくともそうしていればα線β線の被曝の心配は要らない。グリーンピースには韓国人にもそんな鎧の着用を是非ともお薦めして頂きたい。
 
※こういう鎧があればβ線など怖くない。
 
グリーンピースは韓国の原発の現状を知っているのか?
 
また、トリチウムを含んだ水を海洋放出するのは原発事故を受けてのものではなく、世界中の原発で当たり前の様に行われている。しかも福島第一原発の処理水とは「文字通りの桁違いのトリチウムを含んだ」状態で。例えば上記の表によれば韓国の月城原発から1年間に放出されたトリチウムは136兆ベクレル。対して福島第一原発から放出される予定の処理水は22兆ベクレル。単純計算で約6.18倍だ。それだけのトリチウムを放出している韓国の原発は問題視しないのか?グリーンピース?奴等は単純な計算も出来ないらしい。と、言うか連中の発想はかつて日本のサヨクが言った
 
アメリカの原爆は危ないが、ソ連の原爆は安全」
 
と言うのと同じレベルの低俗なものでしかない。言うまでもなくトリチウムに国籍などそもそもない。「韓国の原発から出るトリチウムは安全でも日本の原発から放出されるトリチウムは環境汚染の原因になる」と言う主張は要するに差別を内包している、と言う訳だ。コイツ等にこそ「レイシスト」と言う称号が相応しい。
 
同位体でも化学的性質は基本的には変わらない。物理的性質は別だが。
 
トリチウムがALPSでも除去出来ないのには理由がある。先述した様にトリチウムとは「三重水素」だ。トリチウム原子核は陽子が1つ。そして中性子が2つ、と言う構造をしている通常の水素原子は陽子が1つあるだけで、中性子は存在しない。陽子と中性子の質量はほぼ同等なので、トリチウムは通常の水素の約3倍重い事になるが、それでも「水素としての」化学的性質には極端な変化はない。微妙な変化はあるが。それ故にセシウム137などの水とは関係ない放射性物質はALPSで除去出来ても水に溶け込んだトリチウムだけは除去が困難で、現実的には現在の技術では海洋放出以外に「選択肢がない」のである。それでも日本政府は日本の基準の40倍にまで希釈して海洋放出する。韓国の原発ではその様な環境への配慮はしているのか?以下の記事で触れたが、月城原発から「漏れていた」汚染水のトリチウムは1リットルあたり75.6万ベクレル。4月1日時点での福島第一原発処理水の1リットルあたりのトリチウムは62万ベクレルだった。日本はそれを40倍に希釈するのでこの時点でも1万5500ベクレルで放出する事になる。その差は48.7倍。どう説明したら48.7倍も希薄な処理水が駄々漏れしていた汚染水より危険だと言うのだろうか?グリーンピースには是非とも説明して貰いたいものだ。
 
 
余談だが、一方で生物に与える影響にはかなりの差があり、水素とトリチウムの中間には重水素、と言う「陽子1つに中性子1つ」と言う状態の物も存在する。その重水素が酸素と結合して出来た水を「重水」と言うが、これを多く含む水では植物は育たず、魚も生息不可能だと言う。また、哺乳類の水分の25%がこれになると不妊となり、50%を越えると致死的になると言う。人間でも体内の水分の10%以上が重水だと何らかの影響が出ると言う。そして通常の水に味はないが、重水は甘いと言う。だが、自然界においての水(H2O)は99.76%。それ以外の同位体絡みの水は僅かながら自然界にも存在するが(酸素にもO17やO18と言った同位体が存在する。)、要するに「殆んど無視できる値」である。前述した様な事は実験などで意図的にやらない限りまず実感する事すら出来ないだろう。実際原発からトリチウムを含んだ水を海洋放出した結果、世界の何処かで生物や生態系に何らかの影響があったと言うのだろうか?
 
放射線の強さは距離の2乗に反比例する。
 
繰り返すがグリーンピースなど所詮は口先だけの偽善者集団でしかない。そうでないと言うなら韓国の原発から放出されるトリチウムが安全で福島第一原発から放出されるトリチウムが環境汚染の原因にどうしてなるのか?科学的な根拠を示すべきだ。そもそも福島第一原発日本海ではなく太平洋に面している。日本近海の海流で太平洋から朝鮮半島へ向かう海流があるだろうか?朝鮮半島こそ福島第一原発からの処理水海洋放出において、偏西風と日本列島と日本海に守られて世界で一番影響を受けない地域なのである。グリーンピースは地図の見方も地理も知らないのか?こういうアホ集団の主張に乗せられる人はそれと同等の知性しかない。それを先ずは認識すべきである。勿論これは「理論上」の話であり、放射線云々に限らず「絶対」はないが、少なくとも韓国人の懸念は「杞憂」レベルでしかないと言う事だけは確実であると言えるだろう。勿論無視して構わない。