食の環境破壊

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近頃鰻や黒鮪の乱獲による個体数減少、それに伴う絶滅危機が叫ばれる様になっているが、トラフグまでそうなっているとはもはや驚きである。
ピーク時の僅か6パーセントの水揚げ量しかないというからもはや待った無しの深刻な状況である。
…例えば我々の食卓でよくお目にかかる鯵は実は漁獲量の上限(TAC)が決まっており、その枠組みの中で漁獲する為、資源量の確保が図られている。しかしトラフグは鯵の様にその辺のスーパーで一匹百円ちょいで気軽に買える魚ではない。間違いなく一匹数万円(下手すれば十万単位)はするし、筆者はスーパーで見たことなどない。精々ヒレ酒に使うヒレが関の山である。それ以前にフグであるが故、調理には当然フグ調理免許がいる。素人が気軽に捌ける代物ではないし、無茶して毒に当たって死んでしまったら元も子もない。
高値で売れる為、漁師も自分達の生活の為に狙う人が多いのだろう。筆者が見た記事では漁師がインタビューに「絶滅してしまうとの意識はあるが、誰かがとるから、自分もとらざるを得ない」と答えていたが、それを如実に表しているのだろう。

 独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所(広島県廿日市市)は11年度、日本海、瀬戸内海、東シナ海に生息するトラフグの総重量(資源量)を866トンと推定。「漁獲量をせめて年間147トン以下に抑えれば、資源量を回復できる」との試算を公表した。
記事からの引用だが、それならば是非とも実行して頂きたいものである。トラフグに限らず鰻も黒鮪も魚食国民日本の文化であろう。ならば文化を後世に伝えるべく今守るのも我々の務めであると思うのである。
絶滅してしまってからでは手遅れなのだから。