安倍政権が長期政権なのはメディアのせい

 
※運の良さだけで歴代最長政権は出来ない。
 
安倍首相は歴代最長政権となったが、その理由は何処にあるのか?そんな考察をした記事が出ていたが、果たしてこの記事の指摘通り
 
「他に適当な人物がいないから」
 
と言う理由だけなのだろうか?どうも記事に違和感を感じる。
 
 
記事では安倍政権支持の理由で最も多い回答を「他よりよさそう」だからとしている。何処の世論調査でも概ね同様の結果になっていると言えるが、それは
 
「安倍首相以上の政策を打ち出せる政治家がいない」
 
と言う裏返しである。
 
安倍首相が返り咲きを果たした要因に「民主党政権の失敗」と言う要素がある事は間違いないだろう。だが、安倍政権どれだけ批判的なメディアでも
 
「国民は連中が言う『最悪の安倍政権』を選んでしまう程民主党政権は酷かった」
 
とまでは書かない。それを言ってしまってはオシマイだからだ。
 
だが、それだけではこれだけの長期政権を維持する事は難しい。安倍首相自身も「政治家として成長している」からこそこの結果なのだと言う事にも触れておかなければ記事としては公平性を欠く。
 
第一次政権の時には「自分のカラーを出しすぎた」と言う指摘がある。確かにそういう面はあっただろう。そして民主党政権はそれ以上に自身のカラーを出そうとして大失敗に終わった。それらを自分で体験し、また他者の失敗を外から見ていたからこそ、第二次政権以降はその様な「自身のカラーを前面に出す」様にはしていない。自身や他者の失敗を教訓にしているのである。
 
それでも「今まで誰も出来なかった」事をキチンとやり遂げている。例えば安保法制。集団的自衛権を行使出来る様にする必要性を理解している政治家は居ても実行に移すには至らなかった。だが、安倍首相はそれをやった。それだけでも「成果」と呼ぶに相応しいが、この安保法制の国会審議の際、野党もメディアも総力を挙げて反対運動を行ったが、廃案には出来なかった。それどころか寧ろ逆に支持や理解が広まる結果になった。
 
原因は「野党やメディアの印象操作が国民に見透かされているから」である。それにも関わらず同じ手口を繰り返すメディア。答えが判っていても実行出来ない野党、その存在が安倍政権を長期政権にしたのだ。
 
本気で安倍首相に退陣願うのであれば野党やメディアは先ず「己の変革」から行うべきなのだが、それが出来ない限り安倍政権は安泰だし、4選論が強まってくる結果になる。あれこれ考察するのも結構だが、先ずは実行あるのみだし、それが出来ないからこそ現在がある。結果は確かにその通りでもそういう状況を作ったのはメディアにも責任があるのだ。
 
また、メディアには安倍首相にはある「何が日本の国益か」と言う視点がない。そこも改めなくてはならないし、それを欠いた論説に意味はない。この記事もそういう所から踏み出していない。よく見ると朝日新聞記者が書いた記事ではないか。だからこの様な仕上がりなのだろう。その意味では「納得もの」であった。