成果なし首脳会談

※「会談した」だけが「成果」なのか?
 
1年3ヶ月ぶりの日韓首脳会談が行われた。「会談した」と言う事実そのものに意味がある、と言う見方は出来る事に疑いの余地はないのだろうが、肝心の「目に見える成果」と言う観点では特筆すべきものはなかった。所謂徴用工関連での韓国大法院の異常判決については互いの立場を述べるに留まった。また、日本の韓国への輸出管理体制強化についても同様でいずれも歩み寄りさえ見出だせなかった。それでも韓国・中央日報は以下の社説で「頻繁に会うべき」と主張しているが、果たしてそうなのだろうか?
 
 
徴用工関連にしろ、輸出管理体制強化関連にしろ、その他日韓関係の悪化を招いている要素の大半は
 
「韓国が国際法や国家間の約束を守らない」
 
事が問題の原因となっている。「率直な対話」で問題解決、と言う認識で一致したと言ってもそれは現在の国際社会において「当然の前提」に過ぎない。また、「率直な対話」と言っても自分達だけの価値観での主張をぶつけ合うだけでは何も進展は望めない。対話で問題解決図るのであれば当然そこには「共通の尺度」が求められる。
 
※日本が主張している事は「対話の初歩の初歩」。
 
その「共通の尺度」になり得るものの一つに「国際法」が挙げられる。二国間の条約や協定も立派な国際法であり、その内容は当事国を法的に拘束する。韓国においても国際法は「国内法と同等の効力」だと憲法に明記している。だが、徴用工関連での韓国大法院の異常判決はそれを無視した判決だった。日本はその非を指摘しているのだが、文在寅は「三権分立」を理由に判決を尊重する姿勢を鮮明にした。それが「そもそもの間違い」であって、日本からすれば韓国のその言い分は「国内問題」でしかない。そういう「相手から見た立場」を文在寅は完全に無視している。それはかりそめにも「弁護士出身」者が言う事ではないし、それ以前に文在寅は安倍首相に
 
※2017年時点でこの様に述べていた。
 
「徴用工問題は解決済み」
 
と言う認識を明言しており、理由はどうあれ安倍首相からすれば「裏切り行為」としか解釈の仕様がない豹変ぶりである。しかも判決を出した裁判官文在寅が任命した人物であった。そういう判決を出すであろう事を織り込んでの人事だった可能性は濃厚だ。そういう真似が「信頼を得られない」理由なのだと先ずは認識すべきであろう。
 
「信頼関係が構築出来ない」からこそ「輸出管理体制強化」と言う措置に繋がった訳だが、その件でも文在寅はこの会談でまともな回答一つ用意出来なかった。
 
「日本が韓国を信頼していない」
 
事は安倍首相をはじめ、日本政府要人の発言からも明白であった。で、あれば「どうすれば信頼関係を回復出来るのか?」と言う回答を持ってくるべきであったが、文在寅はそれをしなかった。単に
 
「措置発動前の水準に戻すべき」
 
と言っただけだ。要するに
 
「相手の懸念に応えず、即時無条件での措置撤回要求」
 
しただけでしかなく、そこには「会話のキャッチボール」と言う要素は見出だせない。それが今回の首脳会談が「会談しただけ」で終わった最大の要因であると言える。
 
※「話し合いの仕方」も知らないのか?
 
こんな調子では何回会談した所で「事態の進展」など望めない。事態進展しない、と言う結果が明らかなのに「頻繁に会う」意味が何処にあると言うのか?韓国側の主張がどうであれ、事態は日本が指摘した「国際法や国同士の約束を韓国が守らない」と言う点に韓国が具体的な反論、若しくは改善策を明示しなければ進展しない。それを理解しない限り「何度首脳会談行っても無意味」なのだが、中央日報にはそれが理解出来ないらしい。だからこの様な社説になるのだろう。
 
日本の指摘に対して韓国にも相応の言い分がある、と言うなら中央日報
 
「その正当性を論証」
 
した社説を執筆、掲載すべきであった。それが出来なかった、と言う事は
 
中央日報のレベルが低い
・反論するだけの材料がない
 
のいずれかでしかない。一端の事を言う前に先ずは己の力量を知るべきである。