慰安婦合意は違憲判断の対象外

※その論理はそもそも通用しない。
 
韓国憲法裁判所が2015年の慰安婦合意について判断を下すとの事でその判断が注目されたが、結果は
 
「合意は憲法判断の対象外」
 
と言う理由で「却下」となった。
 
 
結果的には「妥当な結果」をもたらしたと言えるが、「賢明な判断をした」と言う訳ではない。ここで「慰安婦合意は違憲」としてしまうと「国家が行う事をそれに反対する数人の原告で覆す事が出来る」と言う悪例を作ってしまう事になったであろう。それを認めてしまえば「法治国家」「民主国家」と言う体制への「死刑宣告」に等しい。従って「合意を尊重」と言うより「国家体制の破綻を回避」する為にこの様な判決を出したのだと考えるべきであろう。だから「棄却」ではなく「却下」だったのだろう。
 
※安倍首相の作戦勝ち。
 
また判決が
 
「合意は憲法上の条約締結手続きを経ていないので合憲性の判断対象外」
 
とした事は最初から安倍首相がこの合意に対する韓国側の反発を予想して「条約」や「協定」ではなく「合意」に留め、アメリカをその証人とし、発表は各国メディアに対して行った事で既成事実化していた事が効を奏した形だ。改めて安倍首相の読みの深さに感服する。
 
一方そう言う事は原告弁護士には理解されなかった模様だ。
 
※どうするかは韓国政府の努力次第。
 
そもそも合意では自称元慰安婦の「受けた傷」とやらを癒すのは韓国政府の責任で行う事になっていた。それを
 

※それは日本の責任ではない。
 
財団を一方的に解散するなどして合意の白紙化に邁進してきたのは文在寅だ。そんなに訴訟してカネが欲しければ
 
文在寅の合意の白紙化によって財団を一方的に解散したので本来受けられる補償が受けられなくなったのは憲法違反」
 
とでもして提訴していれば勝訴出来たかも知れない。何でも「反日」こじつけて行動するからこういう事になる。そういう意味では「弁護士の戦略ミス」とも言えるだろう。
 
判決そのものは日本から見ても批判すべきものではないが、この手の合意は「守って当たり前」範疇でしかないので評価する対象にもならない。また、この判決が「日韓関係改善の契機になる」と言う考えは間違っている。確かに「違憲判決」を出して日韓関係の更なる悪化の回避はしたが、
 
「韓国政府が自称元慰安婦に何をするのか?」
 
と言う具体案は見えてこない。それを明確にしなければ話は進まないのだが、韓国政府にその意味を理解できるだけの器量はあるのだろうか?問われているのは韓国政府の対応である事に変わりはない。この判決はその様に評価すべきである。