アメリカとイランの板挟みになった韓国

※やっぱり「外交音痴」
 
これは「衝撃的な発言」と言えそうだ。
 
対立するアメリカとイラン。「正面からの軍事衝突」と言う最悪の事態は回避されそうだが、予断を許さない緊張した状況に変わりはない。そんな中東情勢に関して韓国では中央日報が在韓イラン大使にインタビューを行い、イラン側の主張や韓国との関係について語って貰っている。
 
それ自体はメディアとしては普通の事であり、特段批判する様な事は皆無なのだが、その中でサイド・シャーベスタリー駐韓イラン大使は
 
「韓国が米国主導のホルムズ海峡の有志連合に派兵する場合(韓国と)断交も考えられるほど影響を与える可能性がある」
 
と言う趣旨の発言をしていたと言うのだ。これは尋常ではない。
 
シャーベスタリー駐韓イラン大使はインタビューで
 
「そこまで(=断交)も明らかに影響を与え得る。その他にも韓国企業がイラン市場を失う可能性があり、イラン国民が韓国製品の不買運動を起こすかもしれない。すでに韓国が(米国の対イラン)制裁に参加している状況で中国のような国の企業が韓国企業のパイを奪っている。原油輸入も今は制裁のためにどうせ(韓国が輸入を)していないが、それも未来に(制裁が緩和されるといってもイランが韓国に原油輸出を)拒否する可能性もある。経済的なことはさておき、韓国に対するイランの国民感情が怒りに変わるだろう。米国がイランと韓国の関係を厳しくしている。なぜ第3国が介入をするのか。理にかなわない」
 
と、発言。大使と言う立場や、韓国と懸案だらけの現状等を考えれば「単なる恫喝」で済むとは考え難い。韓国はこの発言を「ガチンコの警告」だと受け止めておくべきであろう。韓国とイランには
 
・6500億円にものぼる原油輸入代金未払い
・イランのダヤニ一族に対する69億円の賠償問題
 
等の懸案がある。そこに「ホルムズ海峡派兵問題」が更なる懸案として浮上している訳だ。勿論これらの問題には「アメリカによるイラン制裁」が影響を与えている、と言う要素もあるから韓国からすればそれなりの言い分、と言うのもあるのかも知れないが、イランからすればそれらは「言い訳」としか受け止められないだろう。それ以前にサッカーの試合で「韓国VSイラン」と言うのは大抵「因縁マッチ」となるのだから、イラン国民の「対韓感情」が良好だなんてとてもじゃないがそうとは思えない。ホルムズ海峡派兵問題だけではなく、その他の要因で韓国がイランを刺激する様な真似を仕出かした場合、イラン政府としては「韓国との断交」まで考えていなくても国民レベルで「韓国製品不買運動」が起きたり、また、イラン政府の対応としても「対韓石油禁輸」位は覚悟しておくべきであろう。また、「大使召還」と言う対応も考えられる。通常であればそれだけでも相当に深刻な状況なのだが、それが「可愛いもの」だと錯覚する程イランが韓国に対して強硬な対応をする事は十分に有り得るだろう。イランがアメリカの言う「悪の枢軸」かどうか以前の問題としてイランにこの様な対応をさせる原因は「基本的に韓国側にある」と言う認識は必要であろう。
 
一方日本は防衛相同士の電話会談行った模様だが、河野防衛相によれば
 
 
と、イランは否定的な反応を示していないと言う。
 
これは日頃の付き合い方や事前の根回し、と言った要素にその違いの原因があるのは明白である。言い換えれば「外交力の差」とも言える。
 
※韓国は何もしなかった
 
先月、イラン大統領がアジアを歴訪した。その際、日本は訪問して首脳会談を行い、安倍首相はアメリカとの関係についても何らかの言及をした模様だが、韓国はこの歴訪に対して訪問を要請する等、一切の措置を取らなかった。その差がこの様な形で出ているのだと言える。
 
それはそのまま「日韓の外交力の差」そのものだと言う意味だ。自分達の日頃の行いの悪さがそのまま出てきたに過ぎない。だから韓国はこの様に「板挟み」となって自分で勝手にハマるのである。勿論日本がそれを助けてやる義理も義務も一切ない。自分達で勝手にその状況苦しんでくれ。韓国はホルムズ海峡派兵を行えばイランの反発を招く。一方で見合わせればアメリカの更なる怒りと不信感を買う。どうするのかは見物である。例え昨今の国際情勢に照らしてイランの言動に「理がない」としても韓国との関係に限っては何故かイランを応援したくなる。それも韓国の日本に対する日頃の言動に問題があるからである。韓国は他者を批判する前に先ずは己の言動を見直すべきである。