手順前後の文在寅

※心配無用。アンタには無理だから。
 
韓国外交がまたもや「板挟み」となっている。今度は韓国にとって最大の頭痛の種であろう「米朝間の板挟み」である。もっとも結論から言ってしまえば
 
文在寅の愚劣外交」
 
の当然の結果、と言う事になるのだろうが。
 
 
文在寅は大統領任期中の公約として「戦時作戦統制権」の韓国側への移管を掲げている。これは現在「平時は韓国側、有事は在韓米軍」と言う形の韓国軍の指揮権を平時有事に関わりなく韓国側が保有する、と言う意味である。言うまでもなくそれを実現させる為には「有事の際のノウハウ」なければ指揮権があったところで実行能力がなければ意味はないので韓国側としてはそのノウハウを習得しなければ指揮権だけ移管されても余り意味はない。
 
そのスキル習得の為に「韓国から有事を起こす」なんて真似は出来ない事は論を待たないので在韓米軍にレクチャーして貰う以外に方法はない。当然その手段としては「米韓軍事演習」と言う形以外にないのだが、その米韓軍事演習は北朝鮮反発を招く事は必至である。韓国のジレンマはそんな所にあるのだと言う。
 
※手順前後、と言う事だな。
 
米韓にとって「軍事上の備え」はほぼ「対北朝鮮」であると言っても過言ではない。北朝鮮からすれば「軍事上の脅威」以外の何物でもない事は最初から判りきった事だ。だから北朝鮮は誰が韓国大統領であろうが、米韓軍事演習には悉く反発する。
 
とは言え、韓国にとっては「有事の際の指揮権」は自国の防衛の為には絶対に必要なものであろう。だから文在寅でなくても「有事の際の自国の命運を他国の指揮に預ける」状況からの脱却を図るのは決して間違っていない。…韓国軍にそれに対応出来るだけの能力があれば、ではあるが。
 
だからこの状況を「ジレンマ」として悩む方がどうかしている。北朝鮮韓国をよく「米国の傀儡政権」と罵倒するが、それはこの様な状況を踏まえての事なのだろう。そしてこれが「北朝鮮が韓国を見下す理由」の一つになっているのであれば現状を前提にしている限り、文在寅が幾ら呼び掛けても北朝鮮は「韓国と対等の土俵」には下りては来ない。
 
で、あればこの話は「迷う事などない」事は明白である。先ずは「米国の傀儡政権」バカにされる理由を一つ、自身の手で減らしてから北朝鮮に交渉を呼び掛けるべきだったのだ。それを同時に行おうとするからこの様な状況に自ら「ハマる」事になる。言うなれば「文在寅の政治センスのなさ」が判りやすく表に出た格好だと言えるだろう。
 
文在寅が噛み締めるべき言葉。
 
そういう意味では「米韓軍事演習を行えば北朝鮮が反発、中断すればアメリカとの関係が更に悪化する」状況となったのは文在寅の「自業自得」だと言える。勿論日本が手を差し伸べてやる様な問題ではない。傍観して「見棄ててしまう」に限るのである。