シュピーゲルの表現の是非

※概ね内容は間違ってはいないが…
 
支那での新型コロナウイルス発生以来、欧州では支那人のみならずアジア人全
体が対象とも受け取れる差別行為が横行しているらしい。その最たる例として1月26日付けのフランス紙「クーリエ・ピカール」は見出しに
 
黄色人種警報」
 
と銘打って批判の集中砲火を浴び、謝罪に追い込まれたらしい。その他にも欧州にいる日本人からも同様の声が出ている模様だ。欧州では支那のみならず「アジア全体にウイルスが拡散している」と言う受け止めで、「アジア人を見たらウイルス感染者と思え」と言わんばかりの様相の様だが、それは言うまでもなく「明白な差別行為」でしかない。欧州ではサッカーの試合などでの人種差別行為には非常に厳しい対応をする事も事実だが、現実にはこの様な「アジア人への差別行為」は横行しているのが現状の様だ。「片手落ち」と言うよりない。
 
さて本題。ドイツの「シュピーゲル」なる週刊誌がこの新型コロナウイルス関連の記事を掲載したのだが、表紙の見出しは
 
「Made in China」
 
これに支那が「人種差別」と抗議している模様で、記事はそれを伝える韓国メディアのものである。
 
冒頭の画像が問題の表紙だ。支那が何を言った所でウイルス発生源となった武漢市が支那の領域である事は誰の目から見ても明らかである。また、これ程の被害拡大が起きた要因の一つに「支那当局の初動対応のまずさ」がある事も疑いの余地はないだろう。最初の症例報告は昨年12月8日だったと言うし、また保健当局が動き出したのはそこから3週間以上経ってからだった。発生源とされる武漢市の市場が閉鎖されたのは1月1日。更にこの件に関する習近平の指示が確認出来るのは最速で1月20日武漢市が閉鎖されたのは23日だ。この時点で「春節」における人の大移動は始まっており、これがウイルス拡散に一役買った形になってしまった。
 
 
※結果的には対応は後手後手だった。
 
これらの対応を見ていると、支那当局は「春節が過ぎるまで」事態を先送りしようとしていた様にも受け取れる。恐らくは経済への悪影響を懸念したからであろう。春節期間に予想される経済循環が止まるとどれ程の影響が出るのかなど予測も付かないが、それが如何程であろうが、「人命はそれより遥かに重い」と言う原則を支那当局は無視して「目先の経済的利益」を優先した訳だ。そういう観点で言うなら、この新型コロナウイルスやその被害拡大は「Made in China」と言っても過言ではないし、その表現自体が「人種差別」そのものであるとまでは言えないだろう。…尤もこういう表現によって「支那人=ウイルス感染者」と言う偏見を助長している側面がある事も否定出来ないのだが。
 
支那では日常茶飯事。
 
従ってこのシュピーゲルの表現は「否定も肯定も出来ない」と言う所に落ち着くのだろうが、支那当局の抗議は「筋違い」な面もある。支那当局はどうやら実態がネットなどに投稿され、それが拡散する事態を懸念している様だ。こういう時この様な国で行われるのは「言論統制」である。実際公表されている数字で収まる筈がない事は歴然としており、支那当局の公式発表など誰も信用などしていないだろう。それは他国のみならず、支那国内においても同様だと言える。
 
その様に考えるのであればこの表現、確かに「適切」とは言えないし、誤解を誘発する要因を孕んでいるものの、「差別的表現」とも言い切れない曖昧なものだと言える。第三者的立場から言うのであれば、少なくとも支那の言い分を鵜呑みにしてはならない。それだけは確実である。