新型コロナウイルスによる日本人の死者数が少ない理由

 
最初にお断りしておく。以下の記事で述べられている事は「あくまで仮説」段階である。「検証はこれから」なのだが、興味深いので紹介する事にした。
 

 
新型コロナウイルスの猛威は相変わらずで、日本では新規感染者が連日最多を更新している。しかし、3月末時点での「人口10万人あたりの死者数」では日本は他国に比べて圧倒的に少ない。イタリアは17.79人、スペインは15.64人に対して日本は0.04人。この数字が世界から注目されているのだと言う。
 
これには幾つかの仮説が出されている。一つは
 
あまり他人と直接的に接触しない、大声でしゃべらないといった行動様式や、マスクや手洗いなどの習慣が日本における感染拡大を防いでいる可能性」
 
更に
 
「日本におけるBCG接種率の高さが重症化を抑えている可能性」
 
である。このBCG接種はスペインでは結核罹患率の減少に伴い、1980年代以降、接種が中止され、アメリカ、イタリアでは医療従事者などのハイリスク群のみに接種、となっているらしく、その様にしたアメリカ、イタリア、スペインでは感染者は多く、日本、ポルトガル、韓国、シンガポールなどBCGワクチンを定期接種にしている国は新型コロナの被害は少ない。スペインでは感染者が13万人を超えて「医療崩壊」を招くほど壊滅的な打撃を受けたが、一方で、現在も全国民へのワクチン接種を実施しているその隣国ポルトガルの感染者は、およそ1万人と圧倒的に少ないのだと言う。尤も日本はそもそもPCR検査が少ないので被害の実態が不明、と言う指摘もあるが、流石に「コロナによる死者数」まで隠蔽する事はまず不可能であろう。日本はそこまでの情報統制が出来るシステムのある国ではない。
 
そしてもう一つ。新たな仮説として
 
「日本人は既に一部免疫を持っていた」
 
と言うのである。どういう事なのか?
 

実は新型コロナにはS型と感染力の強いL型があり、京都大学大学院医学研究科・医学部特定教授の上久保靖彦氏らが論文で「S型がL型よりも早く支那から伝播し、それが日本人に部分的な抵抗力を与えた」と発表したと言うのだ。

また、昨年末まで日本はインフルエンザが史上最高ペースで流行していたが、今年になってから急速に流行がストップした。その理由を、論文では「昨年末から日本にS型が流入して、インフルエンザ感染を阻害している可能性」を示唆しているらしい。

昨年11月から今年の1月まで支那人観光客は184万人も入国していたため、「S型がすでに日本の一部で蔓延していた」ということです。そのため、L型にも部分的な集団免疫を付与していると言うのだ。

実に興味深い内容だが、疑問も幾つかある。良くも悪くも支那人は何も日本ばかり出向いて来ていた訳ではないし、そもそもインフルエンザウイルスとこのコロナウイルスは同一の性質とまでは言えない。確かにこのコロナウイルス、「感染しても無症状」と言うケースもあるが、それらは「日本人だけ」と言う理由にはならないだろう。

これに先述したBCG接種率の高さを加えて考える事も可能だが、BCG接種とは結核予防の為のワクチンであり、勿論結核コロナウイルスとの関連性も不明なままだ。そして4月になって感染者が急増している事に対してはこの仮説は謎のままである。

この仮説を検証するにはいずれにせよ「抗体検査」は必須である。現状では医療機関にそこまでの余裕はない事は明白なのでい今すぐの検証は難しいが、現実問題として「新型コロナウイルスに対して日本人には他国には見られない『何か』がある」可能性は否定できないし、寧ろ「その可能性は高い」と言えるだろう。その正体を明らかに出来ればウイルス対策に役立てられる可能性も高いだろう。期待したい展開ではあるが、目の前のウイルス対策が優先なのは言うまでもない。何とも言えないジレンマではある。