WHOはブルンジで何をしたのか?

ブルンジとはこういう国。
 
アフリカ中部にあるブルンジが新型コロナ対策で滞在していたWHO高官全員を
 
ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)
 
として国外退去にしたらしい。
 
 
話の前に「ブルンジって何処の国?」と思う人もいると思われるので簡単に概略を記すと
 
・国土面積は北海道の3分の1程度で人口は東京都以下。
・農業国で主力産業はコーヒー豆
・世界でも最貧国の一つ
 
と言う事らしい。日本との関係も希薄で、国交はあるものの、互いに大使館も置いていない様なレベルの様だ。(隣国ルワンダ日本大使館ブルンジ大使館を兼務している模様)日本への輸出品はコーヒー豆がその殆どを占める。
 
そんなブルンジにも新型コロナウイルスの脅威は迫っていた訳で、WHOから人員が派遣されていたのだが
 
ブルンジの新型コロナ対策に受け入れがたい干渉をしたとしてWHOを完全に除外した」
 
らしい。
 
※マスクが見られない…
 
ブルンジ20日に大統領と国会議員、地方議員を選出する総選挙を控えているとの事で、国政面では重大な局面を迎えていると言える。当然政治的な集会は多数行われ、「3密」状態が発生し易い状況下でもある。上記の画像は記事に添付されていた与党支持者の集会の様子だが、写真を見る限りマスクを着用している様子は見られない。普通に見れば「危険な状況」だと言えるが、WHOがブルンジに何を言ってこの様な事態となったのかは不明だが、恐らくこの様な「3密」を避ける様な事を助言したのだろう。だが、その内容が明らかに「内政干渉」レベルだったか、それとも高飛車な物言いだったか?あるいはその両方か?いずれにしても「通常のWHOとしての助言」を逸脱したものであった事は想像出来る。そうでなければこの様な事態にはなっていないだろう。
 
しかも記事によれば1ヶ月前にもブルンジ外務省はこのWHO高官の国外追放を試みていたらしい。余程ブルンジ政府を怒らせる様な事を以前からやっていた、と言う事なのだろう。
 
詳細が不明なだけに断言は出来ないが、ブルンジ政府としても自分達の措置に自信があるならその理由を世界に向けて発信して貰いたい。WHOには現在、世界中が「不信と疑惑」しか抱いていない。各国のコロナ対策が一段落すればWHOへの追及は「規定路線」同然だが、その為にもブルンジからの情報提供は大きな意味を持つ。
 
…とは言え、この国は建前上は「共和制の民主国家」だが良し悪しはさておき、現大統領は15年近い長期政権を維持している。しかも憲法改正で大統領任期を延長し、更にそこから2期の就任を可能にしている。目前に迫った選挙で現職が勝利すれば最大で「2034年までの超長期政権の運営」も可能だが、直近まで政治の混乱やそれに伴う暴動等も多発しており、「健全で平和的な民主主義が機能しているか?」と言う点には少々疑問が残る。
 
日本とは余り縁がない国での出来事とは言え、「WHOへの不信感」と言う点でもっと注目されても良さそうに思える。WHOが世界中で「ロクな事をしていない」のであればやはりこの組織の在り方を根本的に見直さなくてはならない。そもそもWHOは政治には無縁の筈だが、ブルンジの政治に介入したのであれば、その時点で「本来の目的を逸脱」しているのは明白だ。真相の究明やWHOの言い分が待たれる。