文在寅の北朝鮮外交失敗の理由
文在寅は「アメリカと北朝鮮の仲介者」を自称し、その為の行動を取ってきた事は間違いない。結論から言ってしまえば
「それ自体が本人の器量を越えた仕事だった」
と言う点に落ち着くであろう。
アメリカとしては韓国に「同盟国として北朝鮮の非核化にどう協力するのか」と言う点を求めていただろうし、北朝鮮は韓国に「経済制裁緩和の道筋」を付ける役割を求めていたであろう。どう見ても文在寅がそれらの双方に対して「結果を出せていない」事は明白だ。だから米朝双方から「信頼されなくなった」のだ。
一回目の米朝首脳会談の時点ではトランプ大統領と金正恩の雰囲気は悪いものではなかった。ここでの首脳会談実現に文在寅が「仲介役を果たした」と言う点を認めるとしても、この時点でトランプ大統領と金正恩との直接のホットラインが構築された、と考え、「最終的な交渉は米朝の直接対話に委ねる」と一歩引く姿勢を見せていれば文在寅の評価は変わっていたかも知れない。だが、事態を理解出来なかったのか?それとも欲をかきすぎたのか?その後も文在寅は「米朝の間」に立ち続けようとした。これがそもそもの間違いだったのだ。
2018年10月に韓国外相・康京和が
と述べると、トランプ大統領はすぐさま
「韓国政府が我々の許可なしに制裁の見直しをすることはない。彼らは我々の許可なしには何もできない」
と発言。韓国が独自に「北朝鮮の望む対応」を出来ない事が露呈した。これでは韓国を仲介役にする意味は北朝鮮からすれば全くない。韓国を仲介役にしようがアメリカと直接交渉しようが結果が同じなら当然後者が選択される。またアメリカからしても韓国が自分達の意を汲まずに勝手な事をしようとするのでは「仲介役として役に立たない」と判断して当然である。また、ハノイでの首脳会談が物別れに終わった後も文在寅が米朝双方が聞き耳を持つ様な提案をする事もなかった。そういう時に的確に動いてこそ「仲介役」なのだが、文在寅にそれだけの器量や能力がなかったのか?それとも「仲介役」の意味を理解していなかったのか?どちらにせよ、そんな体たらくだったら板門店での米朝首脳会談の場に出向いておきながら「別室待機」と言う扱いを受けるのだ。その意味さえもコイツは理解していない違いない。