国家安全法が継続審議?
「香港で民主主義が浸透すればそれが将来自分達への脅威になる」
からであろう。また、こちらの記事
「コモン・ロー(英米法)」維持
を承認してしまった事が習近平にとって「負の遺産」となっている事が指摘されている。
「習仲勲がコモン・ロー体系を認めてしまったからだ」
と言う批判が出る事をその息子からすれば完全に封殺したい、と言う事だ。それには香港の自治を形骸化させるよりない。
となれば今や国家首席として権力の頂点にいる習近平からすれば国家安全法をゴリ押しでも何でも可決するなど雑作もない事だろうが、「継続審議」としたのは不自然にも思える。どういう事なのだろうか?
※油断大敵。
支那の立法法29条は立法過程について
「一般的に3度の会議による審議を経て採決しなければならない」
と明記しているが、30条で、
「意見の一致などに応じて審議回数を減らせる」
としている。支那は民主主義ではないのでトップの習近平の意向が全てであり、その意味では立法法29条の規定など30条によって「有名無実」に等しい。全人代常務委は通常であれば1~2ヶ月に1度は開催されているそうだが、先延ばしした所で懸念や批判の声は法案を撤回しない限り収まる事はないだろう。「形式を踏襲した」だけでは前述の通り「父親の負の遺産の清算」が狙いであるならその理由とするには少々弱い気がする。
「外圧に屈した」と言うのも考え難い。そうであれば習近平の失態そのものでしかなく、それが原因で失脚でもしようものなら国家首席の任期を撤廃した意味がなくなる。父親以上の汚名を被る事になる様な真似を自らするとは思えない。
「様子見」と言う線も考えられる。アメリカ大統領選挙が11月にあるので、その結果を見極める、と言う考えはありそうだ。そこでトランプ大統領が再選されなければ、と思っているかも知れないが、その前の9月には香港の立法会議員選挙が行われる。公平に選挙を行えばまず間違いなく結果は支那共産党にとって都合の悪いものとなるだろう。アメリカ大統領選挙の結果を見極めている場合ではない。
と、なれば支那共産党はこの香港の選挙に裏で介入し、「支那共産党に都合の良い」結果となる様な工作を行う肚積もりなのではないだろうか?民主派の候補者には難癖付けて立候補させない、とか不正集計だとか、手段は幾らでも考えられる。そうした上で香港特別行政区基本法第23条の規定
「香港特別行政区は反逆、国家分裂、反乱扇動、中央人民政府転覆、国家機密窃取のいかなる行為をも禁止し、外国の政治的組織または団体の香港特別区における政治活動を禁止し、香港特別行政区の政治的組織または団体の、外国の政治的組織または団体との関係樹立を禁止する法案を自ら制定しなければならない」
に基づいて「香港政府が自ら望んだ」形にしよう、と言うのではないだろうか?そういう形であれば批判や懸念の根拠がなくなってしまう。であればこの段階で世界を敵に回して成立を強行する必要はない、採決は何時でも出来る、と言う事なのではないだろうか?