自民党総裁選における石破茂の扱い

※菅官房長官の圧勝は予想通りだったが…
 
昨日行われた自民党総裁選は予想通り菅官房長官の圧勝だった。それ自体は告示の時点で予想されていた事なので驚く事でもないが、この総裁選の焦点の一つに「誰が2位になるか」があった。今回の総裁選は安倍首相の辞任表明を受けて行われたもので任期は安倍首相の残り任期の1年である。当然来年にも自民党総裁選行われる訳でそこに向けた布石、と言う意味で2位確保は重要な意味があったのだ。
 
蓋を開けてみれば岸田文雄が2位を確保。しかも石破茂に20票以上の差を付けての2位確保だった。どうやら一部国会議員が「岸田文雄を2位にするため」意図的に岸田文雄へ票を流したらしい。そこまで党内で嫌われる石破茂ある意味では「物凄い存在感」だが、そこまでされる原因はやはり本人にあるとしか言い様はない模様だ。
 
https://www.sankei.com/politics/news/200914/plt2009140077-n1.html

 

 


石破茂の得票は68票。その内地方票は42票で菅官房長官の半分にも満たなかった。地方では石破茂は人気だとマスゴミは戦前盛んに宣伝していたが、全くそれが反映される結果とはならなかった。また、そこから国会議員票は26票だった事が判るが、石破派は19人。立候補には20人の推薦が必要なので少なくとも戦前に派閥外から2人の支持を取り付けていた事は明らかだが、そこから僅か5人しか国会議員票を伸ばせなかった事になる。コレでは幾ら地方で人気がある、と言うマスゴミの報道を前提にしても最初から石破茂に勝ち目はなかったとしか思えない。例え党員全てが投票する形式の総裁選だったとしても、である。
 
それでも2位であればまだ「次の目」はあったかも知れないが、「石破茂を2位にもさせない」空気が自民党にあったのか、「岸田文雄を2位にするため票を流す」程の余裕綽々の「菅官房長官圧勝」であり、石破茂からすれば屈辱以外の何物でもないだろう。次回の総裁選までに解散総選挙がなければ当然国会議員の面子は変わらないまま次回の総裁選を戦う事になる。菅官房長官が首相として民主党政権並みの失政を連発する、と言った事態にでもならない限り次回の総裁選でも再選は濃厚であろう。安倍政権の路線を国民に判りやすく継承し、無難に政権運営をこなしていけば尚更である。
 
勿論現状では菅官房長官政権運営手腕は未知数の部分が多く、断定的な事は言えないが、安倍首相並みの安定した政権運営が出来、本人や閣僚に致命的なスキャンダルがなく、国民の支持が安定していれば次回の総裁選は無投票、なんて事もあり得る。記事では石破茂
 
「支持拡大の努力を怠った代償は大きかった」
 
としているが、僅か1年でこれだけの圧勝だった菅官房長官を引きずり降ろすだけの大義名分などそうそうあるとは思えない。前述した様に本人の失政や本人及び閣僚の致命的なスキャンダルでもあれば話は別だが、菅政権を短命政権に終わらせるだけの明確な理由のないまま次回の総裁選に出馬するなど今回以上の無謀でしかないし、そういう理由でこれだけ国会議員票が伸びなかった現実を見れば「国会議員の支持拡大」以前の問題があると言える。そういう意味では石破茂の「次の目」は潰えたとも言えるだろう。日本にとっては大いに結構な事ではあるのだが。
 
※もう「次」はないだろう。
 
今回の自民党総裁選の裏テーマに「石破茂潰し」があったとすればその目的は十分に達成したと言えるだろう。菅官房長官は「安倍政権の路線を継承」と明言している。石破茂はその安倍路線を批判し続けてきたが、菅政権になって態度を180度転換するとも思えないので結局は批判勢力として扱われ、当然ながら派閥で唯一の冷飯食いとなるだろう。他の派閥には岸田派含めそれなりの礼遇がされるだろうが、石破派だけは恐らく冷遇される。最早「そこからどう巻き返す」とか言う問題ではないだろう。そして石破茂本人が自らの主張の誤りを全面的に認めて改心した事が明確に、尚且つそれが表面上のものではない事が判らない限り石破茂が党内で支持を拡大する事はないだろう。だがそれは「政治家としての信念の敗北」であり、同時に「悪魔に魂を売ってでも首相になりたい」と言う意味にしかならない。そんな奴が国民の支持を得られる筈もなく、結局は石破茂に「首相の目」はない、と言う結論にしかならない。
 
そんな奴を持ち上げる真似などマスゴミはもう止めた方が良い。石破茂の本性は幾らマスゴミが隠蔽を謀っても既にネットを通じて多くの国民が知っている。マスゴミ石破茂を持ち上げれば持ち上げる程国民の「マスゴミへの信頼」は低下していくのだ。そういう意味では「マスゴミから見ても利用価値はない」存在でしかないだろう。勿論本人の自業自得な部分は大きいが、マスゴミに利用される奴の末路などそんなものである。それを知らしめてくれた事が「石破茂の政治家としての功績」と言えなくもないが、極めて微妙な所である。