アフガン情勢の責任転嫁合戦に走る新旧アメリカ大統領

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※そりゃアンタのせいだ。

アフガニスタン情勢が大変な事になっている。米軍完全撤退を前に反政府組織タリバンが攻勢に出て、国土のほぼ全域を掌握、現職大統領は国外脱出、と言う事態になっている。

そのアメリカは何をしている?と言う話になるのだが、やっている事は新旧大統領による「責任転嫁合戦」であった。そんな事してる場合じゃないのだが。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/e24d44d638595b36b95f159dd85a45a7309a0f70

元々米軍がアフガンに駐留したのは9.11テロを受けて「アフガンをテロの拠点にしない」為だったそうだが、トランプ政権下でタリバンと和平が成立して米軍は撤退する運びになった。バイデンに言わせると

「私は就任に際し、タリバンを軍事的に最強の状態にした前任者の取引を引き継いだ」

と、トランプ政権に責任があると主張、これに対してトランプは

「(バイデンは)アフガンから逃げた」

と非難、バイデンはトランプ政権下で今年5月迄の撤退を目指して駐留米軍を削減していたとして

「私は、わずかな期限延長によって(トランプの)取引をやり遂げるか、もう一度他国の内戦を戦うためにより多くの米軍を送り込むかという選択に直面した」

と言えばトランプは

「(タリバンを抑止する)われわれの政権の計画に従う代わりに、彼(バイデン)はアフガンから逃げ出した」

タリバンが首都カブールの米大使館に旗を掲げるなら、なんと恥ずべきことか。弱さと無能さ、戦略的矛盾がもたらした完全な失敗だ」

と、この2人、何処までも相性が悪いのか、相変わらずの罵倒合戦をしている。

ただ、バイデンはオバマ政権の副大統領当時、オバマ大統領の増派に異議を唱え、対テロ部隊など小規模の駐留軍を残して撤退すべきだとの主張を展開し、退けられたと言う過去がある。理由はともかく、バイデンがアフガン撤退派に近い考えの持ち主だったのは明らかで、トランプ政権での和平を口実にして自分の考えを(是非は別にして)実行したと言うだけの話だろう。軍が反対したにも関わらずそれを退けてまで自分の考えを押し通した訳だ。

また、この2人に限らずアメリカ大統領が就任即前政権の方針をひっくり返す事はあり、トランプ、バイデン両者ともそれをやっている。だからバイデンはその気になればトランプ政権下での約束を理由を付けて見直す事は出来た訳で、そうしなかったのはアプローチが違うとは言え、結果論として自分の考えに合致したからだ。立場も考えると見苦しい真似をしているのはバイデンだ。

アフガン情勢、まさに憂慮する事態だが、日本でも米軍が撤退すれば同様の事態になりかねない。治安を乱すのがタリバンの様なテロ組織か支那朝鮮と言った犯罪国家であるかの違いだけでこの事態を目の当たりにして尚「在日米軍撤退」を言うのは現実を認識する能力が根本的に欠如している裏返しでしかない。丁度日本では終戦記念日を迎えて「平和について」考える時期だが、憲法9条の理念では平和は守れないのである。それに異議があるなら憲法9条の理念をタリバンに説いてアフガン情勢を抑えてみれば良い。間違いなく自分の信念が間違いだった個とを否応なしに痛感する筈だ。…但し、それを他者に伝える事も出来ないだろうけど。