豊洲市場移転問題、小池百合子の判断は正解か？
豊洲市場移転問題で揺れる東京都。14日の都議会では一問一答形式で行われる予算特別委員会が開かれ、豊洲と築地の２つの市場の安全性をめぐって議論が交わされた。その中で都知事の小池百合子が示した見解は
「築地は安全安心だと宣言できる」
「豊洲は法令上の安全性は確保されているが、消費者の信頼が得られていないので安心とは言えない」
だった。
不肖筆者も時々魚を買いに築地へ行くことがあるが、築地でも土壌汚染が明らかになったことに加え、耐震基準を満たしていない建物の存在、また屋外開放型の施設であるが故にネズミやカラスなどの侵入を完全に防ぐ事は不可能である事、それに建物にアスベストが使われている事など、現状でも強度や食品衛生、労働衛生などに多くの課題がある事が都議会でも指摘された。それでも小池百合子は
と、答弁。しかし同じく土壌がコンクリートで覆われた豊洲市場については、
と、答弁したのだが、東京都の環境局は
と、小池百合子の答弁と食い違いを見せた。
そもそも豊洲市場の立地はかつて東京ガスの工場があった場所だ。そんな場所に生鮮食品を扱う市場を作ろう、なんて発想が何処から来たのか謎だが、2011年に578億円で土地は購入された。その後541億円もの汚染対策費を費やした上で市場は建築されたが、小池百合子は都知事就任後目前に迫っていた移転の延期を表明した。
土壌汚染も盛り土問題も、地下空間の存在も騒がれはしたが、結論から言ってしまえば
「問題にする程でもなかった」
事だった。しかし、それでも尚、小池百合子は頑なに「豊洲市場移転のGOサイン」を出さない。
「法的な安全性は確保されている」
と、本人が述べているのにも関わらず、である。そうなると
こういう疑問が出るのも当然であろう。
更にこの様な指摘がされている通り、科学的な「安全」については結論が出ていると言って差し支えないだろう。「安全」と「安心」はの意味が違うのは当然だが、その「安心」を担保するのは政治の責任、とも言える。小池百合子がその「安心」を担保出来る基準、とは一体何なのだろうか？そしてその為に何をするのであろうか？
…現状ではこの豊洲市場移転問題、小池百合子が行なっている事は福島県産食品に対して「原発の放射能が～」等と言って風評被害を煽るのとその本質は変わらない。長引けば長引くほどそれを払拭する手間も時間もかかるし、豊洲市場の維持費に1日あたり503万円もかかると言う。これでは壮大な無駄遣い以外の何物でもないが、それは当然ながら都民の血税がその原資になる。どうするつもりなのか？
※小池百合子は当初から指摘していた。
…とは言え、小池百合子のこれまでの言動を見ると「誰かを『敵』にしてその『敵』を叩く事で支持を得ようとする」事を繰り返しているようにも取れる。当初は内田茂、現在では石原慎太郎も、と言ったところか。その善し悪しはさておき、この豊洲市場移転問題、総事業費が当初の3900億円から5900億円に膨れ上がっていた事や、そもそも工事の落札が「談合」だったと言う疑惑すらある。仮に談合であれば当然都の落札希望価格が事前に業者に知られていた事を意味する。それを業者に洩らしたのは誰なのか？政治家なのか？都の職員なのか？と言う疑問も当然付いてくる。勿論そこにある利権構造も…である。それらを明らかにすべく小池百合子が秘密裏に独自に調査しており、「移転延期」はその陽動・時間稼ぎだとすれば…？
※確かに偶然には思えない。
勿論コレは不肖筆者の「確証なき推測」に過ぎない。しかし小池百合子は好き嫌いは別にして好機を捉えたり有権者の思いを感じ取る感覚は非常に優れている、と思っている。実際選挙にも強い。だが、このままの状態ではいずれ都民の批判の矛先は自身に向かうであろう事も他人に言われるまでもなく十分に承知しているだろう。小池百合子が自身の思い通りに都政を動かす(何も都政を私物化する、と言う意味ではない)為に必要なのは「十分な議席数の小池与党」である。つまり、7月の都議選の直前にこの「豊洲市場移転問題」に関する「とんでもない」爆弾が投下されるのではないか？と、不肖筆者は推測しているのである。本人が会見するのか？それとも週刊誌にリークするのかは判らないが、そうであれば「伏魔殿」と化した自民党東京都連、特に内田茂は引退を表明したが、その息のかかった者達を一掃する狙いがあるのかも知れない。
勿論「確証なき推測」でしかないだけに不肖筆者の予測が「大ハズレ」と言う結果もあるかも知れないが、小池百合子の豊洲移転に関する不可解な言動はそう考えれば辻褄だけは合わせられるが、果たして正解かどうか？今後の小池百合子の言動を注視したい。
