小池百合子は鉄砲玉?

小池百合子の評価が急落している。

FNNの世論調査によれば
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小池百合子を「支持する」と答えたのは4割を切り、「支持しない」が過半数となった。1年前に都知事に就任した時点では8割近い支持があったのだが…
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また、安倍首相と比較して「どちらが首相に相応しいか」と言う質問に対しても上記の通り、安倍首相にダブルスコア以上の差を付けられる結果になった。

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その上比例投票先では立憲民主党に肉薄され、逆転も大いに有り得る状況で、産経新聞によれば希望の党は「お膝元」の東京でも

小選挙区全滅」

の可能性すらある程の凋落ぶりだと言う。

そんな小池百合子に対する興味深い考察である。



「敵を作り上げ、その敵を『叩く』事で支持を集めてきた」

のは不肖筆者の様な者でも感じる部分はあった。が、その「手段」までは考える事はなかった。10年前の防衛大臣時の事務次官更迭騒動から始まり、最近では自民党東京都連内田茂石原慎太郎など、小池百合子が「標的」にした相手に「全く問題がなかった」とまでは言えないにしても表舞台に出れば意外に「バトルに事欠かない」と言えるだろう。

記事を書いている「猫組長」氏がガチンコの組長出身、と言う事もあり、「ヤクザ的視点」での小池百合子の考察、と言うのは斬新である。それによると

ヤクザにとっての暴力は「ツール」であり目的ではないこと》

暴力がツールである以上、ケンカも相手を潰すことが一番の目的ではなく、むしろ、勝ち方、負け方が重要となる。》

と言うのが「ヤクザの振るう暴力」の本質であると言えそうだ。そういう「見方」を小池百合子に当てはめて見ると

ケンカを売り過ぎだ。ケンカを通じて、小池氏の権力と集票力が増していくことは事実だが、なんでもかんでもケンカをすればいいというわけではない。さらにいえば、相手を叩きのめせばいい、というわけではない》

と言う事になるらしい。

だが「猫組長」氏は

組織にとって利益にならない暴力を行い、娑婆と監獄を往復する》

と言う「暴力をツールではなく目的」にする「懲役太郎」と言う存在を指摘し、

小池氏の「ケンカ」は懲役太郎のそれに近い。》

小池氏という政治家は「ケンカ屋」というよりはいわば「鉄砲玉」……「一度飛び出したら戻ってこない兵隊」》

と断じている。その通りかも知れない。

先日記事にしたが、そのニュースソースでは

「永田町は日本で“最強最古の男社会”です。水面下で交渉をして、相手のメンツを立てて、もし決裂したとしても、お互いが納得した上で物事を進めていく。ある意味で“馴れ合い”が必要なわけです。》

と、指摘している。「猫組長」氏が記事で触れた「山一抗争」の決着と通じる部分もあると言えるだろう。この抗争では一和会側は四代目山口組の組長と若頭の暗殺に成功している。普通に考えれば山口組からすれば自分達が同様に一和会側のツートップを殺さなければならない様にも思えるが、実際には一和会は会長が引退し組は解散、と言う形で決着している、との事だ。

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勿論「面子」の問題もあるが、ここで山口組は「名」より「実」を取った、と言える。山口組側は抗争相手の元一和会の面々を受け入れたのだと言う。山口組に戻った元一和会系組員は「外様としてゼロからスタート」する形になり、懸命に組織に貢献。結果、組織はより強固なものになり、経済力も強化される結果となった。(一般人には好ましい事ではないが。)政治の世界でも似た様な「名を捨てて実を取る」事はある、と言うのであれば小池百合子のやり方は 業界の仁義をわきまえないやり方だ、と言う意味でもある。それでは敵を増やすばかりだが、小池百合子にそういう理解はないのか?

また、言うまでもない事だが、不肖筆者如きがヤクザの世界について知っている事など皆無に等しいが、「組長自ら『鉄砲玉』」なんて組織が存在する筈もない事位は判る。だが、希望の党は「組長自ら『鉄砲玉』」そ組織だと考えれば衆議院選挙であるにも関わらず「首班指命を明確に出来ない」のも納得ものだ。その上小池百合子が代表である事以外、それを補佐する組織体系も出来上がっていない。「党が立ち上がったばかり」なんて言い訳は通用しない。後から立ち上がった立憲民主党は既に
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と、代表以下の執行部を面子の質はさておき立ち上げている。しかも


と、竹田恒泰氏が指摘する様に

「党本部の場所も電話番号も『非公開』」

なのだと言う。これらを勘案すれば「希望の党」や「都民ファーストの会」を

小池百合子の『政治闘争の為のツール』」

と解釈すれば「希望の党」や「都民ファースト」の異様さも辻褄は合う。…こんなのに付き合ってしまった人が気の毒に思えるが、小池百合子からすれば

「自分を慕ってきた人も『自分の政治闘争の道具』」

でしかないのだろう。敵に回したくはないが、味方にする気にもなれない、と言うのが大方の見方なのだろう。

このままいけば選挙でマケテ求心力を失い、希望の党は分裂、小池百合子都知事の任期を全う出来るかすら怪しいだろう。

「過ぎたるは尚及ばざるが如し」

それが教訓である。
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