ジャーナリズムはプロパガンダではない


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※日韓関係はヨーロッパとの関係とは比較出来ない。


実に奇っ怪コラムに遭遇した。日韓関係に関して


「ドイツとポーランドの関係から教訓を得よう」


と言うのがその内容である。結論から言ってしまえば


「その発想が根底から間違っている」


のだが…


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https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20190909-00141508/

 

第二次世界大戦は1939年9月1日の「ナチスドイツによるポーランド侵攻」でその戦火が開かれた、とされている。今年はそれから80年。ポーランドで式典が行われ、出席したドイツのシュタインマイヤー大統領が、

 

「ドイツの犠牲者となったポーランド国民の前に私は頭を下げ、過去の罪の許しを請う。我々ドイツ人がポーランドに与えた傷は忘れない」

 


と、ドイツ語及びポーランド語で改めて謝罪したのだと言う。

 


このコラムではそんなドイツの姿勢と日本の韓国に対する「過去の反省」を比較して

 


「日本はドイツの『過去に対する姿勢を見習え』」

 


とでも言いたいのだろうが、その発想は根本的に間違っている。

 


ポーランドも韓国も「他国に支配された」と言う「共通の過去がある」と言う見方は有り得るかも知れないが、ポーランドの場合、明らかな軍事侵攻を受けた結果である。しかもその間にポーランドの全人口の20%が殺害された、と言うからその凄まじさは想像を絶するものがある。

 


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※これが「日帝35年の暴虐」の結果だ。


一方韓国の場合は?と言うと韓国人の言う「日帝35年の暴虐」によって人口も平均寿命も倍増し、100前後しかなかった小学校は4000を越え、「ハングルの識字率」は併合前の4%から50%弱にまで引き上げた。また、戸籍を整備し、身分制度撤廃して奴隷を解放した。更に土地の測量やインフラ整備も行い、非人道的な風習を撤廃させ、衛生環境をも整えた。まさに「至れり尽くせり」を地で行く展開なのだが、その「事実」を否定して何を求めているのか理解不能である。


コラムでは


「“心からの謝罪”がほしいんです。謝罪しても、いまだに靖国参拝をする政治家がいたり、教科書が書き換えられたりしている状況があるのですから、謝罪が心からのものであるとは思えません」

 

と言う声を紹介し、


〈日本では、「強制連行はなかった」、「慰安婦問題はデマ」という声まであがっているのだから、韓国の人々が求める“心からの謝罪”からはほど遠い状況があると言ってもいいかもしれない。〉


と言うが、


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※それを信じて河野談話を出したら裏切られた。


河野談話の作成過程の検証で明らかになったのは「氷山の一角」でしかないが、韓国の「ムービング・ゴールポスト」はこれだけに止まらず日韓関係のあらゆる場面で出現している。それらは「歴然とした事実」なのだが、そういう事を考慮せずに一方的な声だけを取り上げて


「日本はドイツの姿勢を見習え」


と言うのはジャーナリストとしては乱暴なものだと言わざるを得ない。


また、このコラムは「(慰安婦の)強制連行はなかった」、「慰安婦問題はデマ」と言う声を批判的に受け止めている様だが、

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アメリカが15年調べても「強制連行」は証明されなかった。


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※それらは報道でも明らかな事だ。


朝鮮半島における慰安婦の強制連行が「なかった」と言うのは「今や常識」である。アメリカ政府が日本軍の戦争犯罪を15年かけて調べ上げたにも関わらず「証拠は一切合切出てこなかった」のが現実だ。また、「強制連行」における唯一の根拠であった「吉田証言」も報じた朝日新聞が「誤り」と認めて謝罪会見を開いた事は誰もが知っている。それを無視する、と言うのはいったいどういう了見なのか?自分の書きたい事を一方的に主張するだけが能ではない。そんな事であれば「ジャーナリスト」を名乗らずとも「個人のブログ」で行えば済む話だ。


客観的な事実を無視して一方的な主張を行うのはジャーナリズムとしては「間違っている」と言える。ジャーナリズムは「プロパガンダ」を発信する事ではないが、思想が左に傾くとその意味が理解出来なくなるらしい。実に愚劣な事である。