緊急事態宣言を求める医師会の声

※「緊急事態宣言」の決断は近い。
 
日本でもここ数日感染者が急増している事は報道されている事だが、事態を受けて医師会から「緊急事態宣言を出して欲しい」と言う要望が出てきた。一つの意見として重く受け止めるべきであろう。
 
 
ネットでは「4月1日に緊急事態宣言発令」等と言う噂が出ているそうだが、それに関しては「デマ」だと安倍首相菅官房長官が明確に否定しているが、それでも「ギリギリの状況」「緊急事態宣言発令の瀬戸際」である事実に変わりはない。また、このウイルスの潜伏期間は2週間、とされている。つまり昨日今日ウイルスの感染が確認された、と言う事は「2週間前には既にウイルスに感染していた」と言う意味であり、その間自身がウイルスに感染していた、なんて自覚のないまま通常の生活を過ごしていた、と言う事である。その間自身がどれだけの人と接触し、それによってどれだけウイルスをバラ撒く結果になったかなんて最早特定不能の領域だ。
 
※3月29日の新規感染状況。
 
また、3月29日の新規感染状況を見ると、68人の感染が新たに確認されたが、その内44人が40歳以下の若い世代である。「若者は大丈夫」なんて間違っても言えないし、この内27人は院内感染が取り沙汰されている病院の入院患者や医療従事者だと言う。現在医療従事者は最も厳重な感染防止体制を敷いてその仕事に臨んでいる筈だが、それでも100%感染を防ぐことは出来ない。問題の根幹はここにあると言える。
 
「緊急事態宣言を出すべき」主張しているのが医師会、と言うのがミソで、一般人は「ウイルス感染が疑われる症状」を自覚すれば程度に関わりなく病院へ行く。迎え入れる病院は当然最大限の感染防止体制を敷いている筈だが、それでも感染を100%防ぐ事は出来ない。常に「感染の危険と隣り合わせ」であり、そのリスクは全職業中ダントツのトップであろう。
 
考えられる最悪のケースとして
 
「感染者が病院へ行く→医療従事者が感染してしまう→当然感染した従事者は勤務不能となる→病院に人手不足発生→病院の機能停止→感染者が診察されない事態の発生」
 
と言う「負のスパイラル」も十分に考えられる。更にこの場合、「医療従事者から患者に感染」と言うケースもある訳で、それが多くの病院で起こればPCR検査をやろうがやるまいが「医療崩壊」になってしまう。
 
そういう事態は絶対に防がなくてはならない。しかも病院は個人医院ならともかく、大病院となると「自主休業」なんて真似は出来ない。医師会から「緊急事態宣言を出すべき」と言う声が上がっている意味はそういう事態を防ぐ、と言う事であり、そうなった後で緊急事態宣言を出しても「手遅れ」なのである。
 
また、潜伏期間が2週間、と言う事は「2週間後の最悪の事態」を想定して発令の是非を判断しなければならない。勿論2週間後の感染状況など正確に予測出来るなんて事は不可能だと言って良い。今現在「ギリギリ」「瀬戸際」なら2週間後に「終息に向かう」なんて楽観論は厳禁レベルであり、「今以上の感染ペースの拡大」と言う前提で予測しなければならないだろう。
 
つまり「4月1日に緊急事態宣言発令」がデマであっても「2週間以内に発令される」可能性はあるのではないだろうか?不肖筆者の様な無名の一般人がブログで言っているだけならまだしも、同様の事を政治家が口にしようものなら間違いなく社会は大混乱に陥る。が、それだけ事態は深刻なのであり、「自分は関係ない」なんて間違っても思ってはならないのである。そんな事を言っている人間に限って「数日後に発症」なんて事も有り得るのだから。
 
※出来る事を一つづつ。
 
それは何も「今の内に食料を買い漁っておけ」と言う意味ではない。うがいや手洗いの徹底や不要不急の外出自粛など「一人でも出来る事」はあるのだからそれを実行する事が重要、と言う意味である。一人一人のそういう行動の積み重ねがモノを言う。お上がそれを「要請」しても歯止めがかからない、となれば「法的拘束力を以て」行わせるのが「緊急事態宣言」とすればそうなる前に事態を理解して行動するのが「大人の対応」であろう。緊急事態宣言発令の是非は国民一人一人の自覚と行動にかかっているのである。