緊急事態宣言に備えて冷静になろう

※緊急事態宣言が出ても出来る事は意外に少ない。
 
新型コロナウイルスの猛威を目の当たりにしている現在、「改正インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく「緊急事態宣言」が現実味を帯びている。日本医師会は「医療危機的状況宣言」を打ち出し、「感染爆発が起きてからでは遅い」と、主張している。
 
これは当然の事で、ウイルスの潜伏期間が2週間、とされている以上、現在行われている対策の効果は2週間後まで判らない。2週間後に「感染状況が好転し、終息に向かう」のか、「感染爆発が起き、状況が更に悪化する」のか予想出来るのであれば最初から誰も苦労などしない。こういう時は「最悪の状況」を想定して判断材料に加味するよりないだろう。
 
だが、「緊急事態宣言発令」を前提にした想定、と言うのは前例がないだけに対応に当たる各自治体はそのシミュレーションに四苦八苦している模様だ。只でさえ、既に発症した患者への対応や感染経路の特定など自治体だって既にやる事は山積み状態だろう。そんな自治体の苦労も我々は考えるべきではないだろうか?
 
 
※既に限りなく「そういう状況」。
 
「緊急事態宣言」は出される要件とは上記の通りだが、その是非を考えるまでもなく「限りなくそういう状況」だと言っても過言ではない。例えば東京で言えば現状で緊急事態宣言発令なら期間は都立高校がGW明けまで休校にした事から、少なくともそれ位の期間は想定されて然るべきであろう。
 
だが、マスク等の関連商品を扱う業種だったりなど、直接関係する職業でもない限り、直接一般国民に関わるのは
 
「外出自粛要請」
「学校や大規模施設の使用制限」
「イベント中止の要請・指示」
 
と言った所だろう。勿論医療施設設置の為に「土地建物を収用」と言う最も物議を醸す項目はあるが、その発動には政府も慎重にならざるを得ない。その様な事態が発生する状況、と言うのは最早現在の欧州以上の惨事となっている訳で、どうこう言っていられる様な状況ではないだろう。
 
※既に行っている事に「法的根拠」が付くだけ。
 
また「外出自粛要請」とか「イベント中止の要請・指示」等、既に知事が行った事もあるが、それが混乱に拍車をかける形になっている。緊急事態宣言が出ても、今まではそれらに関しては「知事からのお願い」だったものに「法的根拠」が付く、と言った効果しか生まないので、
 
「緊急事態宣言を根拠に都市封鎖」
 
と言った事までは出来ない。だが、前例がない事や国民に周知が徹底されていない事などが自治体の対応に苦労をかけている模様なのだ。
 
前例がない事は致し方ない事だが、例えば埼玉県ではインフルエンザの流行を想定したマニュアルを準用するのが基本だと言う。それは他の都道府県でもそう変わりはないだろうが、それでも「想定外の事態」があると言うからマニュアルの見通しが甘いのか?それとも状況がそれほど深刻なのか?いずれにせよ、問題の種は尽きない。
 
また、各種要請は既に行っている所もあり、それらの地域では違いが判りにくい。言ってしまえば「要請に法的根拠があるかないか」なのだが、それを正確に知事が発信出来るか?また、知事の発信した内容をマスコミがどれだけ正確かつ的確に伝えられるか?と言う点にかかっていると言える。こういう時こそ、マスコミの真価が問われるのだが、こういう時でも「安倍批判」にしか目がないマスコミにそれを期待するのは野暮だろう。従って我々一般国民一人一人がキチンと情報を収集し、冷静に判断、行動する必要があるのだ。他の災害と違ってそうする余裕があるケースは多いと言える。読者様諸兄におかれても、デマなどに惑わされず、冷静な判断や行動をお願いしたい所存である。