韓国が北朝鮮に賠償請求?

※もう踏んだり蹴ったり。
 
北朝鮮による開城の「南北共同連絡事務所爆破」事件、この建物には韓国が約62億円近く出資していたらしい。勿論原資は韓国国民の税金だ。それが一瞬にして灰塵と化した訳だ。文在寅からすれば散々北朝鮮にすり寄ってこの結果では「面子丸潰れ」どころの騒ぎではない。韓国ではこの行為に対して「北朝鮮に賠償を請求すべき」と言う声が上がっているらしいが、請求した所で1ウォンたりとも北朝鮮から賠償を受け取る事は出来ないであろう。
 

「700億が消えた、ワームビア式で賠償請求すべき」(朝鮮日報日本語版) - Yahoo!ニュース 北朝鮮が16日に爆破した開城の南北共同連絡事務所と開城工業団地総合支援センターの建物には、韓国国民の税金707億ウォン(現在のレートで約62億2000万円、以下同じ)が投入されている。今後北朝鮮がリンクYahoo!ニュース

 

※これ以外にも韓国の資産は危機に瀕している。
 
これ以外にも韓国の北朝鮮内での資産は開城工業団地に官民合わせて約1030億円、更に金剛山観光関連で約370億円の資産があるのだと言う。北朝鮮がその気になればそれらの資産を没収、又は灰塵とする事は朝飯前であろう。韓国がこれらの資産を保護する事は事実上不可能である公算が高い。
 
一応南北の合意では
 
「南と北は自らの地域内で、法令に基づき相手側投資者の投資資産を保護する」
 
と言う項目が明記されているそうだが、この期に及んで北朝鮮がその様な約束を遵守する、と考える方がどうかしている。そんな精神があるなら北朝鮮は最初から南北共同連絡事務所を爆破などしない。韓国は自分達が日本にしてきた事がそのまま自分達に「ブーメラン」となって突き刺さった形だが、その意味をまるで理解していないらしい。救いのない阿呆、愚物集団でしかない。
 
そこで韓国で浮上しているのが記事で言う「ワームビア方式での賠償回収」である。
 
これは記事で解説されている通り、北朝鮮で抑留され、死亡したアメリカ人大学生、オットー・ワームビアさんの両親が採った方法だ。ワームビアさんの両親は北朝鮮に対しての賠償請求訴訟をアメリカの裁判所に提訴した。裁判の結果、ワームビアさんの両親は勝訴し、北朝鮮に540億円の賠償を命じる判決が確定している。勿論北朝鮮は賠償を拒否したが、この判決に基づき、金正恩アメリカ国内の隠し資産は差し押さえられているのだと言う。韓国もこのやり方に倣って北朝鮮から賠償を取るべき、と言うのが主張の骨子だが、コイツ等には現実が見えていない。
 
※韓国がアメリカと同格な訳ないだろ。
 
成程、韓国の憲法上では北朝鮮の領域も韓国の領土であり、北朝鮮は「韓国内での非合法組織」と言う事になる。従って「理論上」では開城工業団地金剛山での韓国資産が北朝鮮によって損害を受けた場合、韓国の国内法に基づいてその損害を賠償させる事は可能だ。だが、「逆もまた然り」で、北朝鮮憲法上韓国領域は北朝鮮の領土であり、北朝鮮の国内法適用範囲なのである。また、北朝鮮からすればそれらの韓国資産はそもそも「私有財産」でさえないのでそれらを金正恩がどう処分しようが金正恩の裁量の範囲内だ。絶対に話が噛み合う事はない。
 
また、ワームビアさんの両親にこの様な事が可能だったのはアメリカ世界一の経済大国である事、そしてその通貨米ドルは「世界最強の基軸通貨」である。米ドルを調達出来なければ経済活動に多大な支障が出る。だから金正恩が如何にアメリカと敵対していても「隠し資産を米ドルで保有」する必要があり、また、アメリカ国内に隠しておく必要性が出てくるのである。
 
一方韓国はどうか?韓国の通貨ウォンはそもそも国際基軸通貨ですらない。そんな代物を隠し持っている意味からしてない。また、ワームビア方式は「アメリカに金正恩の隠し資産がある」から成り立つのだが、韓国内に「北朝鮮の隠し資産がどれだけある」と言うのだろうか?そりゃ韓国内に居るであろう北朝鮮のスパイの活動資金、と言った形で存在する可能性は高いが、韓国の北朝鮮領域内の資産より少額である事は確実であろう。つまり韓国が自国内の北朝鮮の隠し資産全てを洗い出したとしても、そしてその全てを賠償に充当させても「被害の補償」には程遠いのである。
 
従って韓国がこの「ワームビア方式」を採用して北朝鮮に賠償を求めたとしても、裁判そのものでは確実に勝訴出来ても賠償に充てる北朝鮮の資産が存在する可能性が極めて低い、またはあっても賠償額と釣り合いが取れない、と言う事態となってしまう可能性の方が極めて高いのである。それくらい見極めてから発言すべきである