安保理批判の国連事務総長

※たまには良い事言うじゃないか。
 
国連事務総長グテレスが安保理常任理事国を批判したと言う。前任者が阿呆過ぎたせいで影が薄い感じる部分もあったが、この発言そのものはもっともで妥当なものだと言えるだろう。
 
グテレスはオンライン演説で
 
「70年以上前に世界の頂点に立った国々が、国際機関の力関係の転換を要する改革を拒んでいる」
 
と、発言。言うまでもなくこれは「拒否権」に代表される安保理常任理事国の特権、と言う既得権益固執し、改革を拒んでいる常任理事国5か国事を言っていると見て差し支えないだろう。
 
国連事務総長、と言う立場の者からの発言としては異例とも言えるが、内容そのものは全うで、国連も出来てから75年、その間に国際関係における力関係は大きく変動している。時代の流れに対応出来ない組織はこの様に腐敗していくものなのである。日本としても憲法からしてそうなだけに耳が痛い部分もあると言える。
 
国連は本来、「戦争を繰り返さない」と言う目的で設立された筈だが、それを抑止する筈の立場の常任理事国が戦争を引き起こす、又はその先駆けとなる侵略行動を起こしているのが現実で、安保理の性質上、それを阻止する力はない。それを問題視しない、出来ないと言うならそもそも常任理事国として「仕事をしていない」のだからその立場にいる資格さえない。グテレスのこの発言を無視するのではなく、常任理事国はそれにどう応えるのか明確に示す必要があるだろう。それは最低限の責務だ。
 
…と、言っても元々国連事務総長にそこまでの強大な権限はない。常任理事国の変革を期待するのは野暮かも知れないが、せめて国連は「人類共通の価値観」を実現させる場だと明確にする必要がある。それは言うまでもなく「自由・平等と民主主義」だ。先ずはこの価値観を共有出来ない国を排除する事からはじめてはどうか?幾ら経済や軍事に優れていてもこの価値観を持っていなければ周辺国の害にしかならない事は既に証明されている。グテレスはそこまで踏み込んでも良かったのではなかろうか?そういう意味では少々物足りない部分はあるが、この発言にどう常任理事国は応えるのか?態度で示す必要がある事に変わりはない。